1994 Fiscal Year Annual Research Report
高所住民の発達と老化に関する生理学的研究-環境適応とライフコース-
Project/Area Number |
05041112
|
Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
堀 了平 近畿大学, 薬学総合研究所, 教授 (40001036)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 泰清 新彊中医学院, 教授
高井 正或 京都大学, 霊長類研究所, 助手 (90252535)
上野 吉一 北海道大学, 実験生物センター, 助手 (40261359)
福崎 賢治 鹿児島短期大学, 講師 (30228879)
河合 明宣 放送大学, 群馬学習センター, 助教授 (90195024)
池上 哲司 大谷大学, 文学部, 教授 (60121521)
成瀬 哲生 山梨大学, 教育学部, 教授 (20142664)
辻本 雅史 甲南女子大学, 人間関係学科, 教授 (70221413)
米本 昌平 三菱化成生命科学研究所, 室長
古川 彰 中京大学, 社会学部, 助教授 (90199422)
松林 公蔵 高知医科大学, 医学部, 講師 (70190494)
松沢 哲郎 京都大学, 霊長類研究所, 教授 (60111986)
戸部 隆吉 国立京都病院, 病院長 (70025641)
|
Keywords | ライフコース / モンゴロイド / 環境適応 / 老年期 / 生理学 / 文化人類学 / 歯科人類学 |
Research Abstract |
中央アジアのモンゴロイドを中心に、周辺地域の住民の医学的ならびに人類学的調査をおこなった。以下の4地点でフィールド医学調査をおこなった。1)中国雲南省の少数民族、おもに白族とモンゴル族を対象として、医学およびパラメディカルの研究者と人文科学・社会科学の研究者が協力して、住民の小児期から老年期に到るライフコースを探る総合調査をおこなった。食生活や文化的習慣や自然環境などが小児期の行動パタンをどのように形成し、それがさらに成年期や老年期の行動パタンをどのように規定するか。ライフコースという観点から検討した。とくに疾病と環境適応に関して生理学的な実態を調査し、また少数民族としてのアイデンティティーをどのように保持しているのか、教育学的な視点からの調査をおこなった。2)モンゴロイドの中心地であるモンゴル共和国において、歯科人類学的調査をおこない、前年度のフンザでの調査と比較して、中央アジアのモンゴロイド系住民の形態的特徴を明らかにした。各地域の住民は、民族としてのアイデンティティーを保持しているが、その文化的な帰属意識と、形態人類学的な特徴とは、必ずしも一致しない。こうした帰属意識と形態特徴とのギャップを、歯科人類学という新しい視点から検討した。3)ボリビアにおいてケチュア族インディオの文化人類学的・歯科人類学的調査をおこない、中央アジアのモンゴロイドとの比較をおこなった。4)ネパールおよびブ-タンの高地住民の環境適応と生業形態・社会構造について、社会学的な継続調査をおこなった。以上の調査から、さまざまな環境に適応したモンゴロイドについて、医学人類学ほかの総合的な見地からライフコースの検討をおこなった。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] 河合明宣: "ブ-タンの地方制度と開発の課題" ヒマラヤ学誌. 5. 149-158 (1994)
-
[Publications] 松沢哲郎,他: "少数民族の文化的アイデンティティー:中国雲南省の蒙古族の調査から" ヒマラヤ学誌. 5. 159-168 (1994)