1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05044006
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松沢 哲郎 京都大学, 霊長類研究所, 教授 (60111986)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HERMSTEIN Ri ハーバード大学, 心理学部, 教授
TERRACE Herb コロンビア大学, 心理学部, 教授
友永 雅己 京都大学, 霊長類研究所, 助手 (70237139)
藤田 和生 京都大学, 霊長類研究所, 助教授 (80183101)
小嶋 祥三 京都大学, 霊長類研究所, 教授 (70027499)
|
Keywords | 知性 / チンパンジー / 言語 / 推論 / 視覚情報処理 / 錯視 / 視覚探索 / 進化 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、ヒト、チンパンジー、サル、及びハトを対称に、「知性」の諸側面に関して相互比較が可能な資料を実験的に収集し、「知性」の進化について総合的に考察した。「知性」は必ずしも明確に定義された概念ではないが、本研究では、「知性」を概念形成、言語、記憶、推論などといった諸能力の有機的連関ととらえる。言語、推論、記憶、知識、概念形成の実験をそれぞれの担当者が企画・実施する。言語の研究では、語の獲得、文法の形成・習得、文の生成、個体間コミュニケーション、等が分析の対象となる。推論の研究では、系列学習を用いた推移的推論の分析や、記号の対応学習による論理的推論の分析をめざした。 6年度は、ヒト、チンパンジー、サルを被験者として数の操作、錯視、視覚探索といった視覚情報処理の研究と、視聴覚特性との関連を引き続き究明した。国際共同として、数の操作の研究を推進しているサリ-・ボイセン博士や、キム・バ-ド博士、アン・ラッソン博士の来日を企画し共同研究をおこなった。コンピュータ利用の描画と模倣についてイバーセン博士が来日して継続研究をおこなった。なお、これらはいずれも相互に関連をもつ認知機能であって、研究チーム構成員間で十分な論議をおこない、互いに有機的に関連しあったデータの収集をめざした。さらに飼育集団や野性群を対象として、竹下秀子が上記の知性の実験的研究をオランダ・ア-ネム群で推進した。こうしたデータを相互に比較可能なものにするために、できる限り刺激や手続きを共通なものにする努力をした。知性にかんする比較研究のワークショップを来年度に開催する計画で検討準備をおこなった。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] 松沢哲郎: "チンパンジーの研究は何の役に立つか" 発達. 57. 104-111 (1994)
-
[Publications] 松沢哲郎: "チンパンジーの文化" 発達. 59. 105-109 (1994)
-
[Publications] Fujita,K.: "Visual preference for closely related speices by Sulawesi macaques." American Journal of Primatology. in press.
-
[Publications] Tomonaga,M.: "Transfer of add-item search performance in a chimpanzee (Pan troglodytes)." Perceptual and Moter Skills. 80. 35-42 (1995)
-
[Publications] Tomonaga,M.: "How laboratory-raised Japanese monkeys (Macacafuseata) perceive rotated plutographs of monkeys:Evidence for an inversion effect in face perception." Primates. 35. 155-165 (1994)