1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05044058
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
鷲見 義雄 広島大学, 理学部, 教授 (20029490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永宮 正治 コロンビア大学ネヴィス研究, 教授
BOGGILD H. コペンハーゲン大学ニールス, ボーア研究所, 教授
FABJAN C. ヨーロッパ共同粒子物理学研究所, 主任研究員
西村 俊二 日本学術振興会, 特別研究員
岩田 洋世 広島大学, 理学部, 助手 (20168579)
阪口 篤志 広島大学, 理学部, 助手 (70205730)
杉立 徹 広島大学, 理学部, 助教授 (80144806)
宮村 修 広島大学, 理学部, 教授 (80029511)
米澤 穰 広島大学, 理学部, 教授 (70033800)
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Keywords | 高エネルギー重イオン衝突 / NA44実験 / クォーク・グルオン・プラズマ / 運動量収束型スペクトロメータ / CERN-SPS / HBT効果 |
Research Abstract |
本年度の研究の主要項目を列挙するとつぎのようになる。 1.これまで得た核子あたり200GeVの硫黄・原子核衝突データ解析 2.世界初演の核子あたり160GeV鉛・原子核衝突実験用検出器開発および製作と、これを用いた実験データの収集 3.鉛・原子核データの解析 4.シミュレーション・プログラムの開発 上記1については、従来行われていたものと比べてずっと詳細な解析を進めパイオン源の方向依存性を明らかにするとともに、K中間子についても精度のよいデータを得るのに成功し、ともに論文として公表した。その主な内容は、パイオン発生源の横方向拡りは、パイオンの横運動量とともに減少すること、またパイオン、K中間子いずれの場合も拡りは横向き質量の平方根に反比例すること、K中間子源はパイオン源よりかなり小さいこと、各種ハドロンの発生源温度は、ハドロンの質量が大きいほど高いこと、などであり、いずれもこの分野の研究の発展に重要な寄与をなす知見である。項目2および3については、セルンと共同して粒子識別用チェレンコフ検出器を開発・製作しこれをスペクトロメータに組込んだ。これを用いて世界で初めての高エネルギー鉛ビームによる実験を用い多量の生データを収集した。この生データの予備的解析を米国ロスアラモス研究所に集まって集中的に行ない、その結果を本年1月に米国モントレイで行われたクォーク・マタ-国際会議に発表した。現在までのところ、核子あたり160GeVの鉛・鉛衝突においてクォーク・グルオン・プラズマの予兆らしき現象は見つかっていない。 また4については、鉛ビーム用シミュレーションプログラムを着々整備しつつあり、部分的な結果が出はじめたところである。
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[Publications] N.Maeda,er al.: "A Cherenkov baem counter for ultrarelativistic heavy-ion experiments" Nuclear Instruments and Methods A. 346. 132-136 (1994)
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[Publications] H.Beker,et al.: "Kaon interferometry in heavy-ion collisions at the CERN SPS" Zeitschrift fur Physik C. 64. 209-217 (1994)
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[Publications] T.J.Humanic,et al.: "Identified particle interferometry in heavy-ion collisions:Results from the CERN NA44 experiment" Nuclear Physics A. 566. 115c-122c (1994)
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[Publications] M,Murray,et al.: "Single particle spectra from NA44" Nuclear Physics A. 566. 515c-518c (1994)
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[Publications] H.Beker,et al.: "m_T dependence of boson interferometry in heavy-ion collisions at the CERN SPS" Physical Review Letters. (in press). (1995)
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[Publications] H.Bφggild,et al.: "Directional dependence of the pion source in high-energy heavy-ion collisions" Physics Letters B. (in press). (1995)