1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05044060
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
TAKAHASHI T. 九州大学, 理学部, 教授 (20197742)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HARIJONO Sri インドネシア技術評価応用庁, 気候改良研究部, 部長
GAGE K.S. 米国国立大気物理海洋研究所, 波動伝播研究室, 室長
小池 俊雄 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (30178173)
中北 英一 京都大学, 防災研究所, 助教授 (70183506)
池淵 周一 京都大学, 防災研究所, 教授 (20026181)
坪木 和久 東京大学, 海洋研究所, 助手 (90222140)
守田 治 九州大学, 理学部, 助教授 (70112290)
山中 大学 京都大学, 超高層電波研究センター, 助教授 (30183982)
深尾 昌一郎 京都大学, 超高層電波研究センター, 教授 (30026249)
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Keywords | モンスーン雨 / 熱帯の雨 |
Research Abstract |
研究は赤道域・アジアモンスーン雨の降水機構を明らかにすることを目的とし、日本側は、熱帯・アジア域での観測を行い、その結果を赤道下でのアメリカ側の観測結果と比較、赤道域・アジアモンスーンの降水機構について共同で研究を行うことを研究課題としている。 平成5年11月、約一ヶ月間、タイの最南端ソンカラ市(7°N,101°E)で観測を行った。タイ気象局の全面的な協力がありビデオゾンデ13台を飛揚することができた。11月22日、大陸からの高気圧がインドシナ半島に延び、それにフィリピン西方の台風の影響で北東風が強まり、クラウドクラスターが東西方向に列状に発達、次々に上陸、半日で82mmもの降水をもたらした。3台のビデオゾンデをこの降水系に飛揚した。この雲システムでは下層での“Warm Rain"プロセス、上層の“Cool Rain"プロセスとも活発で特に上層では“丸い霰"が著しく多く観測された。解析の結果、それらは放射状六花の氷晶から成長したと考えれ、気温-25℃付近でそれらの氷晶が過冷却雲粒を捕捉、丸い霰を形成していることが知られた。この観測結果をもとにした2次元の深い雲モデルでの数値計算により、タイ・ソンカラでの冬のモンスーン雲は他域での降水機構(パプア・ニューギニアのマヌス島、ミクロネシアのポナペ島、中国の平凉)と比較、最も効率のよい雨の降り方をしていることが知られた。又上層の氷晶域と下層の雨域との雨の相互作用についても計算を行い、上層からの霰が融解して生じた小雨滴が下層の雲粒を捕捉、急速な雨滴形成が行われていることが知られ、豪雨機構解明にも大きな成果が得られた。 平成6年度はタイ気象局のドップラーレーダと同時観測を行い、モンスーン雲の流れと降水との内部構造の研究が行われる。又夏にはアメリカ側の赤道レーダとの比較検討を行う。
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