1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05044064
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Research Institution | National Laboratory for High Energy Physics |
Principal Investigator |
山本 明 高エネルギー物理学研究所, 物理部, 助教授 (30113418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KIMBELL Barb New Mexico State Univ., 研究員
STREITMATTER ロバート NASA/GSFC, 研究員
GOLDEN Rober New Mexico State Univ., 教授
ORMES Jonath NASA/GSFC, 部長
山上 隆正 宇宙科学研究所, システム研究系, 助教授 (40013718)
矢島 信之 宇宙科学研究所, システム研究系, 教授 (30200489)
東 保男 高エネルギー研究所, 工作センター, 助手 (70208742)
稲葉 進 高エネルギー研究所, 物理部, 助教授 (10013434)
槙田 康博 高エネルギー研究所, 物理部, 助手 (30199658)
折戸 周治 東京大学, 理学部, 教授 (10092173)
吉田 哲也 東京大学, 理学部, 助手 (50222394)
井森 正敏 東京大学, 理学部, 助手 (70011690)
野崎 光昭 神戸大学, 理学部, 助教授 (10156193)
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Keywords | 宇宙 / 宇宙線 / 宇宙起源 / 反物質 / 反粒子 / 粒子線 / 対称性の破れ |
Research Abstract |
本年度は、計画の初年度として、カナダでの第一回、宇宙線観測・共同実験に成功する事が出来た。両政府間の努力により、6月3日に国際共同実験の為の協定が締結され、ただちに実験機器の発送及びスタッフの派遣を行った。カナダ・マニトバ州・リンレークに、9名のメンバーを派遣し、約1.5ケ月の期間で、現地での実験準備を整える事が出来た。 7月26日には、天候に恵まれ、気球の打上げに成功する事が出来た。約17時間の飛行中、14時間にわたる宇宙粒子線観測に成功した。この観測により、約1億個の宇宙線を観測し、セレクションの後、約400万個のイベントを磁気テープに保存した。実験機器は飛翔終了後、無事に回収され、現在、解析が精力的に進められている。これまでの予備的な解析結果からは、宇宙起源反粒子の存在上限値の10^<-4>を約一ケタさらに感度を向上し、少なくとも10^<-5>レベルでの存在の可能性に決着をつける事が出来る見通しである。 また来年度のフライトを目指し、データ解析をもとにスペクトロメーターの改善を行い、より高感度な観測に向け、準備を進めた。 本研究は、日本の粒子線観測技術と、アメリカの気球飛翔技術の特色を活かした、ユニークな国際共同研究として、宇宙線、宇宙科学の分野で、注目を集めており、来年度以降も、さらに成果が上がるよう、努力したい。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] A.Yamamoto et al.: "Balloon-borne experiment with a superconducting solenoidal magnet spectrometer" Advances in Space Research. Vol.14. 75-87 (1994)
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[Publications] K.Anraku et al.: "Searching for primordial antimatter at distance of 30 to 300 Mpc using a bolloon-borne experiment with a superconducting solenoidal spectrometer(BESS)" Proc.of 23rd Int.Cosmic Ray Conference. Vol.2. 156-159 (1993)