1993 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白質チロシン残基燐酸化酵素のp72sykの生理的役割
Project/Area Number |
05044156
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Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
山村 博平 福井医科大学, 医学部, 教授 (90030882)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
TOMOHIRO Kur Lederle Laboratories, Senior Res
KINET JeanーP NIH, Molecular Allergy and Immunology・Section, 室長
谷口 隆信 福井医科大学, 医学部, 助手 (60217130)
竹内 郁登 福井医科大学, 医学部, 助手
柳 茂 福井医科大学, 医学部, 助手 (60252003)
稲津 哲也 福井医科大学, 医学部, 助手 (00242587)
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Keywords | p72syk / チロシンキナーゼ / IgE受容体 / B細胞受容体 / 血小板 / トロンビン |
Research Abstract |
7月に谷口がNIHのKinet博士の研究室を訪問し、我々の研究進展状況を説明しKinet博士の状況について議論し情報交換した。そして我々が持っている豚のp72sykのcDNA及び抗体を彼らに提供した。次いで谷口はニューヨークのクロサキ博士のところでp72sykに関する彼らの研究進展状況について議論し情報交換した。そして抗体とcDNAを供給した。黒崎博士はその後の研究結果を12月に来訪した際に報告してくれ、また彼らが作った新しい細胞株を持参し、我々と議論をした。2月には新たに加わった竹内郁登がクロサキ博士の研究室にて分子生物学的手法の指導を受けて帰国した。柳と定が技術修得と研究交換のためNIH並びにニューヨークを訪問した。 1)血球細胞におけるp72sykの役割について *血小板に於てトロンビン、トロンボキサンA2にてp72sykが活性化されること、さらに細胞内でのCa2_+の上昇はp72sykの活性化に必要ではないが、p72sykの活性抑制機序には必要であることを明らかにした。 *好中球に於て、p72sykがコンカナバリンA刺激で活性化されること、並びにチロシンキナーゼ阻害剤を用いた実験より細胞内のCa2_+の上昇とp72sykの活性化の程度が相関していることを見いだした。 *末梢白血球(主にT細胞)にもp72sykは存在し、コンカナバリンAにて活性化されることも明らかにした。 2)鶏B細胞におけるSyk cDNAのクローニングに成功し、かつこれを用いてゲノムクローニングにも成功した。このゲノムを用いてTargetting vectorを作製しSyk_-のノックアウトB細胞の作製に成功した。この細胞を用いて野生株のB細胞と比較したところSyk_-の細胞ではCa2_+の上昇は見られなかった。(EMBO J.in press) 3)CV-1の細胞にsrc系チロシンキナーゼの1つであるLynとSykをCo-expressionさせてその相関を見たところ、細胞内のホスホチロシンの含量は増加しており両者に相関があることが判明した。
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[Publications] Takeuchi,F.: "The lectin concanavalin a stimulates a protein-tyrosine kinase p72syk in peripheral blood lymphocytes." Biochem.Biophys.Res.Commun.194(1). 91-96 (1993)
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[Publications] Asahi,M.: "Activation of protein-tyrosine kinase p72syk with Concanavalin A in polymorphonuclear neutrophils." J.Biol.Chem.268(31). 23334-23338 (1993)
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[Publications] Maeda,H.: "Protein-tyrosine kinase p72syk is activated by thromboxane A2 mimetic U44069 in platelets." Biochem.Biophys.Res.Commun.197(1). 62-67 (1993)
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[Publications] Takata,M.: "Tyrosine kinase Lyn and Syk regulate the B cell receptor-coupled Ca2_+ mobilization through the distinct pathway" EMBO J.(in press).
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[Publications] Kurosaki,T.: "Syk activation by the src-family tyrosine kinase in the B cell receptor signaling" J.Exp.Med.(in press).
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[Publications] 山村博平: "分子病理学" 文光堂, 6 (1993)
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[Publications] 箸本英吉: "実験医学" 羊土社, 6 (1993)
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[Publications] 谷口隆信: "実験医学" 羊土社, 6 (1993)
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[Publications] 箸本英吉: "現代化学" 東京化学同人, 7 (1993)
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[Publications] 稲津哲也: "実験医学" 羊土社, 2 (1994)