1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05044164
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川嵜 敏祐 京都大学, 薬学部, 教授 (50025706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
TAKASAKA Lee ジョンズホプキンス大学, 生物学部, 研究員
LEE Yuan Chu ジョンズホプキンス大学, 生物学部, 教授
川嵜 伸子 京都大学医療技術短期大学部, 助教授 (70077676)
山科 郁男 京都産業大学, 工学部, 部長 (70025675)
小堤 保則 京都大学, 薬学部, 助教授 (70205425)
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Keywords | 血清レクチン / 補体活性化 / コラ-ゲナーゼ / オリゴマー / SDS-PAGE |
Research Abstract |
本年度は血清レクチンに関する研究を重点的に行った。血清中にふくまれるレクチンであるマンナン結合タンパク質(MBP)は糖鎖リガンドと結合すると補体系を活性化することが知られている。しかし、この補体系活性化にはMBPのどの部分がどのように関与しているのか殆ど明らかにされていない。そこで、筆者らは、本レクチンの示すオリゴマー構造に着目してこの点を調べた。ゲル濾過による分析では、MBPは分子量600kDa付近に一つのピークを示し、オリゴマーの分離は観察されなかったが、非還元条件でのSDS-PAGEで分析したところ、MBPは31kDaのサブユニットが3個結合して一つの構造単位を形成し、この構造単位の4量体以上の高次オリゴマーには補体活性能をもつが3量体以下では補体活性能を持たないことが判明した。また、これらのオリゴマーの集合体をコラ-ゲナーゼで消化すると、約2/3のサブユニットで容易に消化され、糖結合部位領域(CRD)を生じるのに対して、残りのサブユニットは全く消化を受けなかった。ところが、このコラ-ゲナーゼ消化前後の補体活性化能を比較するとほとんど変化が見られなかった。糖結合部位領域(CRD)は補体活性化能をもたなかった。以上の結果を考えあわせ次のような仮説を提出した。MBP分子はコラ-ゲナーゼ抵抗性を示すサブユニット(コアーサブユニット)よりなるにMBPとコラ-ゲナーゼ易分解性のサブユニット(ペリフェラルサブユニット)よりなるにMBPの二つに分けられる。前者は構造単位が4量体以上よりなる高次オリゴマーを形成しているのに対し、後者は主に3量体以下の比較的小さなオリゴマーを形成している。なお、コアーサブユニットとペリフェラルサブユニットの相異はサブユニットのもつ高次構造にあると考えられ、MBPを熱などにより変性させると全てのサブユニットがコラ-ゲナーゼ易分解性となった。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] N.Kawasaki,N.Itoh & T.Kawasaki: "Gene organization and 5'-flaking region sequence of conglutinin a C-type mammalian lectin containing a collagen-like domain." Biochem.Biophys.Res.Commun.,. 198. 597-604 (1994)
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[Publications] M.Ohta and T.Kawasaki: "Complement-dependent cytotoxic activity of serum mannanbinding protein towards mammalian cells with surface-exposed high-mannose type glycans." Glycoconjugate J.,. 11. 304-308 (1994)
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[Publications] H.Kurata,T.Sannoh,Y.Kozutsumi,Y.Yokota & T.Kawasaki: "Structure and function of mannan-binding proteins isolated from human liver and serum." J.Biochem.,. 115. 1148-1154 (1994)
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[Publications] T.Kawano,Y.Kozutsumi,T.Kawasaki & A.Suzuki: "Biosynthesis of N-glycolylneuraminic acid-containing glycoconjugates." J.Biol.Chem.,. 269. 9024-9029 (1994)
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[Publications] Y.Yokota,T.Arai & T.Kawasaki: "Oligomeric structures recquired for complement activation of serum mannan-binding proteins." J.Biochem.,. 117. 414-419 (1995)
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[Publications] K.Ozaki,Reiko T.Lee,Yuan C. Lee & T.Kawasaki: "The difference in structural specificity for recognition and binding between asialoglycoprotein receptors of liver and macrophages." Glycoconjugate J.,. (in press). (1995)
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[Publications] 稲田祐二、川嵜敏祐編: "糖鎖ハイブリット" 共立出版, 269 (1995)