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1993 Fiscal Year Annual Research Report

bcl-2遺伝子による発がん機構の解析

Research Project

Project/Area Number 05044165
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

辻本 賀英  大阪大学, 医学部, 教授 (70132735)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) DONALD Ewert  ウイスター研究所, 準教授
恵口 豊  大阪大学, 医学部, 助手 (20243206)
Keywordsbcl-2遺伝子 / アポトーシス / がん遺伝子 / 染色体転座
Research Abstract

ろ胞性リンパ腫に見られるt(14;18)転座の解析から同定したがん遺伝子bcl-2は既知のがん遺伝子と異なり、細胞死(アポトーシス)を抑制する生理活性を有する。bcl-2の活性化を伴う悪性腫瘍の発生とより高い悪性度の獲得に係わる遺伝子群の同定を目的として、ヒトbcl-2を組み込んだトリ白血病ウイルスをニワトリに感染させ悪性腫瘍を発生させる実験系を確立した。レトロウイルスが、腫瘍発生に必要ながん遺伝子の分子タグになり、その遺伝子の回収のためのプローブとなる。bcl-2-ALVを6日胎児に感染した場合に、約2-4週間の潜伏期後、種々の臓器に悪性腫瘍が発生した。bcl-2を持たないコントロールレトロウイルスでは、腫瘍の発生はなかった。
悪性腫瘍が発生した臓器は、肺、膵臓、肝臓、脾臓、腹腔内および血液中であった。6日胎児経のbcl-2ウイルス感染とは異なり、羽化後一日のニワトリへのbcl-2ウイルス感染は、2-4週間の期間内には全く悪性腫瘍を発生するに至らなかった。このことは、悪性腫瘍の発生にはbcl-2ウイルス感染に特別なウインドがあることを意味している。
免疫組織学的検討の結果、脾臓、肝臓の腫瘍は骨髄性細胞由来であり、肺と膵臓の腫瘍は、未分化な肉腫であった。腹腔内に生じた腫瘍の由来は未だ判定出来ていない。血液中には赤芽球腫瘍が認められた。このようにbcl-2ウイルスの感染により、種々の組織において、種々のリニエジ(赤芽球系、骨髄性、および肉腫)の腫瘍が生じることを示した。各腫瘍では、ヒトbcl-2を発現しており、また数コピーのレトロウイルスゲノムの挿入が認められた。これらウイルスの挿入はモノクローナルに起こっており、マウスの実験系より、bcl-2遺伝子単独では悪性腫瘍は生じないと考えられているので、ウイルスゲノムの挿入による細胞内がん遺伝子の活性化の可能性が高い。

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Published: 1995-02-08   Modified: 2016-04-21  

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