1993 Fiscal Year Annual Research Report
細菌感染におけるストレス蛋白反応性γδ型T細胞の役割の検討
Project/Area Number |
05044178
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松崎 吾朗 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (30229455)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JURAJ Ivanyi MRC, 結核および関連疾患部, 教授
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Keywords | γδ型T細胞 / 自己反応性 / ストレス蛋白 / hsp60 / 細菌感染 |
Research Abstract |
我々はBALB/cマウスを自己脾細胞により刺激する自己リンパ球混合培養(sMLR)によりT cell receptor(TCR)γδ型T細胞が増加することを見出した。sMLRにより増殖するγδ型T細胞は、TCR可変領域としてVδ5およびVδ6を主に発現していた。これらの自己反応性γδ型T細胞の認識する抗原がストレス蛋白の一つであるhsp60である可能性を検討するために、結核菌および哺乳類のhsp60に交叉反応性をもつ単クローン抗体ML30をsMLR培養中に加えて解析を行った。その結果、Vδ5の発現がML30により特異的に抑制された。この結果は、Vδ5陽性γδ型T細胞がhsp60を認識する可能性を示唆する。この点をさらに明確にするため、sMLRによって増殖したγδ型T細胞からγδTCRを発現したT細胞ハイブリドーマを樹立した。このハイブリドーマはTCRの可変領域としてVδ5遺伝子を発現しており、かつBALB/cの生体内で自己抗原を認識することによりクローン増殖する細胞が発現すると考えられているBID塩基配列をVδ5-Dδ-Jδ結合部領域に持っていた。このVδ5(BID)陽性T細胞ハイブリドーマは自己脾細胞に反応し、かつその反応はML30によって抑制された。またML30は自己脾細胞の一部の細胞集団の細胞表面を染色した。ML30はマウス細胞表面に発現されるhsp60に結合することが知られていることと考えあわせ、BALB/c由来のVδ5陽性細胞は細胞表面に発現された自己hsp60を認識するものと考えられた。また、Vδ5陽性γδT細胞がListeria monocytogenes感染においても増殖することを示唆する結果も得られており、hsp60特異的Vδ5陽性γδ型T細胞は、感染ストレスで誘導された自己のストレス蛋白hsp60を認識することにより細菌感染防御に参加している可能性が考えられた。
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[Publications] N.Kobayashi,G.Matsuzaki,Y.Yoshikai,R.Seki,J.Ivanyi,K.Nomoto: "Vδ5+T cells of BALB/c mice recognize the murine heat shock protein target specificity" Immunology. 81. 240-246 (1994)