1993 Fiscal Year Annual Research Report
食細胞および非食細胞における活性酸素産生系の出現と役割
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05044180
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
中村 三千男 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (30091276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RADEKE H ハノーバー医科大学, 上級研究員
VERHOEVEN AJ オランダ赤十字中央研究所, 研究員
JONES OTG 英国ブリストル大学, 教授
熊取 厚志 長崎大学, 熱帯医学研究所, 講師 (60244092)
小坂 光男 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (30079983)
板倉 英世 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (00010512)
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Keywords | 食細胞 / 活性酸素産生 / シトクロムb558 / 慢性肉芽腫症 |
Research Abstract |
1.好中球において認められた4つの構成成分(gp91-phox,gp91-phox,p47-phox,p67-phox)とそのmRNAの検出を種々の細胞で試み, (1)線維芽細胞ではgp91-phox類似の蛋白の発現を認めたものの,遺伝的には同一ではない, (2)神経芽細胞には後者3つを認め,活性酸素産生を確認できた. 2.抗体を用い,繊維芽細胞のgp91-phoxは好中球のそれとは異なるものであることが確認された. 3.リンパ節やリンパ系悪性腫瘍の検索から,リンパ節においてはBリンパ球で表面Igを発現している細胞に限ってシトクロムb558(gp91-phoxおよびgp91-phox)の発現が認められ,腫瘍細胞ではBリンパ系の一部とホジキン細胞の一部に確認できた. 4.活性酸素産生系の各々の細胞における異同を明らかにする目的で,バリアント慢性肉芽腫症患者におけるBリンパ球,単球,好中球,および好酸球の活性酸素産生とシトクロムb558の発現を検索したところ,前3者は共通しているが,好酸球だけは若干動態を異にしていた 5.4の結果から,好酸球にはシトクロムb558のアイソタイプのある可能性が示唆されたので,好酸球cDNAライブラリーから可能性のあるクローンをえてその塩基配列を決めているところである.目下明らかに異なるクローンは得られておらず,単なるヒュウジョン蛋白と思われるものが発見されているに過ぎない.ただし,従来より,科学的根拠もないまま,好中球と好酸球は全く同じ活性酸素産生系を備えていると先験的に考えられていたわけで,たとえ結論が同一蛋白であることになってもこれへの科学的証拠を提示することは必須である. 6.5および2との関連から,さしあたってgp91-phoxの発現調節の解明が急務と考え,その遺伝子の5'上流域の塩基配列決定をスタートさせた.
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[Publications] M.Shiota,S.Mori,S.Imajohohmi,M.Nakamura,S.Kanegasaki,H.Serizawa,T.Izumo,T.Uehara: "Expression of cytochrome b558 on B cell-lymphomas and CD30 positive-lymphomas" Path.Res.Pract.189. 985-991 (1993)
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[Publications] J.H.W.Leusen,M.de Boer,B.G.J.M.Bolscher,P.H.Hilarius,R.S.Weening,H.D.Ochs,D.Roos,A.J.J.Verhoeven: "A pointmutation in gp91-phox of cytochrome b558 of the human NADPH oxidase leading to defective translocation of the cytosolic proteins p47-phox and p67-phox" J.Clin.Invest.93(印刷中). (1994)