1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05044188
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
田村 謙二 東海大学, 医学部・生理科学1, 助教授 (20163686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WADE Paul R. コロンビア大学, 解剖細胞生物学教室, Research A
WOOD Jackie オハイオ州立大学, 生理学教室, 主任教授
SCHEMANN Mic MaxーPlanck研究所(Bad Nauheim), 主任研究員
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Keywords | 腸管神経 / 求心性神経 / 直腸 / 胃 / モルモット / 迷走神経 / 骨盤神経 |
Research Abstract |
平成5年度は、電気生理学的手法を用い、腸管壁内神経にたいする求心性神経成分の作用を主に検討した。実験にはモルモットの胃と直腸を、迷走神経と骨盤神経をつけたまま切除し、in vitroで用いた。それぞれのアウエルバッハ神経細胞の細胞内電位をガラス微小電極で記録し、それぞれの外来性神経(迷走神経と骨盤神経)を電気的に刺激した。この結果、外来性神経の遠心性成分による興奮性の応答(主にアセチルコリンによる)とは異なる、極めて緩徐な興奮性電位が、一部の神経細胞でえられた。この応答は、直腸ではAH/TypeII型とよばれる神経細胞にしか出現せず、その発現頻度は約50%であった。一方胃壁のアウエルバッハ神経叢にはAH/TypeII型の神経細胞は記録されず、この遅い神経興奮は、S型とよばれる神経細胞でも出現した。いずれの部位でも、ヘキサメソニウムは、このゆっくりとした興奮性応答には無効であり、このことから求心性神経線維終末からの興奮性物質によるものと推定された。また胃、直腸の両部位で、神経細胞を刺入するガラス微小電極に、あらかじめトレーサーを封入しておき、これを細胞内に注入することにより、細胞の形態をも検討した。この結果、直腸では外来性神経からのアセチルコリンによる興奮性作用を受ける細胞は、軸索が一つしかない神経細胞であり、一方求心性神経終末からの興奮作用を受ける細胞は、DogielII型と呼ばれる大型の多軸索の神経細胞であることが判明した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kenji Tamura and Paul Wade: "Electrophysiology of morphologically identified myentericneurons in guinea pig distal colon." American Journal of Physiology. (予定).
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[Publications] Kenji Tamura and Michael Schemann: "Morphology of electrophysiologically identified stomach myenteric neurons of guinea pig" American Journal of Physiology. (予定).
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[Publications] Kenji Tamura: "Pelvic input to the rectal myenteric neurons of guiena pig" American Journal of Physiology. (予定).