1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05045001
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
後藤 守 北海道教育大学, 札幌校, 教授 (00002478)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NADEZDA.G Vo ロシアマガダン国際教育大学, 教授
NELLY.S Tsep ロシアマガダン国際教育大学, 教授
WILLIAM Pfis 米国アラスカ大学フェアバンクス校, 教授
WILLIAM Parr 米国アラスカ大学フェアバンクス校, 教授
田中 實 北海道教育大学, 札幌校, 助教授 (70227180)
桑原 清 北海道教育大学, 札幌校, 助教授 (00178154)
玉井 康之 北海道教育大学, 釧路校, 講師 (60227262)
門脇 正俊 北海道教育大学, 岩見沢校, 教授 (40002761)
佐藤 有 北海道教育大学, 岩見沢校, 助教授 (10125370)
奥平 忠志 北海道教育大学, 函館校, 教授 (10002544)
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Keywords | 環太平洋北部地域 / へき地諸学校 / 小規模校 / 少数・先住民族 / 地域社会の教育力 / 自然環境 / 登校拒否 / 差別の克服 |
Research Abstract |
本概要は、昭和25年以来取り組んできた本学僻地教育研究施設の僻地教育研究の集大成として計画された3カ年計画の初年度のまとめである。 本研究では、環太平洋北部地域、特に、アラスカ、ロシア・マガダン地域のへき地教育に関する比較分析を通して、我が国のへき地諸学校と地域の文化的、教育的機能の様相を浮きぼりにしようとしている。すでに、ロシアマガダン国際教育大学、アラスカ大学フェアバンクス校と連携をとり、2名の北教大側の共同研究者がそれぞれ現地調査と研究資料の収集を開始した。また、外国側の共同研究者3名が北教大札幌校及び釧路校をベースにして、道央、道東地区を現地調査し、あわせて次年度にむけての研究協議をした。 以上の結果、シベリア、アラスカ、北海道という三極関係の中での小規模校の比較研究から浮かび上がってくる「地域社会と学校」「自然の中での子どもの生活」「少数・先住民族の教育(アイヌ、シベリア諸族、エスキモー)」等の問題は「地域社会の教育力の回復」「自然環境を守る教育」、そして「差別の克服」というグローバルな新しい世紀への課題をへき地教育が集約的に抱えていることが示唆された。また、山村へき地に対して、「教育にとって悪い条件をもつ地域」という認識を打破した次元で今後の研究を進める必要性も浮きぼりにされた。このことは、大規模になり過ぎている管理的運営を強いられ、そのことの影響が登校拒否、校内暴力に象徴的に示されている現在の都市の学校の状況を打開するためにも必要な観点であることが確認された。全体に目配りのきく規模の学校、体験学習の最認識、学校教育を活性化させるための地域の教育力という新しい視点によるさまざまな試案は、まさに、へき地教育が行ってきている内容そのものである。次年度の研究ではこれらの視点にたった実証的な研究が進められる。
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