1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05045027
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石井 勝 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (40107397)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PAKPAHAN Par バンドン工科大学, 生産工学部, 講師
SIRAIT K.Tun バンドン工科大学, 生産工学部, 教授
北條 準一 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (70013175)
|
Keywords | 雷 / 熱帯 / 雷放電 / 雷位置標定 |
Research Abstract |
本研究では、インドネシア共和国ジャワ島に無人運転の雷観測設備を複数設置して2年間にわたって連続観測を行い、ジャワ島およびその周辺地域の雷パラメータを明らかにすることを目的としている。各地点では、雷放電に伴って発生する電磁波を受信し、GPSを利用した高精度時計により0.1usの精度で観測時刻を記録することによって、互いに数百km離れた多地点における実質的な同時観測を実現している。昨年度中に3ヶ所に設備を設置して運用を開始したが、劣悪な環境のためか、3ヶ所がすべて正常に動作している期間がかなり短く、平成6年5月までの雨季には、充分なデータ収集が行えなかった。このため、平成5年度当初の計画にはなかった4局目の観測設備をジャワ島西端に設置することとし、平成6年6月に観測地点の選定と用地借り上げ交渉をバンドン工科大学と協力して行った。平成6年9月より設営を行い、同10月より4局目の設備が運用に入っている。4局目の設置により、スマトラ島南部が観測可能領域に入ってきたと共に、4局中1局がダウンしていても3局で観測が続いている可能性が格段に向上した。 4局目の設備の運用開始後も、1局がほぼ常時ダウンしている状態が続いており、本研究の補助金が底をついた後も、平成7年2月までに延べ3名の研究者をジャワ島に派遣して、設備の保守点検に当たっている。しかし3局が同時に稼働している時間が大幅に長くなり、4局目を設置した目的は充分に達せられている。 収集したデータの解析も、解析法の検討と並行して主に東京大学側で実施している。雷放電の位置標定に電磁波の到来方位と、その観測地点への到達時刻を併用する方法はまだ特性が充分知られていないため、理論的な検討を重点的に進めており、学会で口頭発表を3件行った。
|