1993 Fiscal Year Annual Research Report
細胞骨格の細胞機能にはたす役割に関する細胞生物学的研究
Project/Area Number |
05045049
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Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
瀬口 春道 高知医科大学, 医学部, 教授 (90030866)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
オバーレ W.K. ブリティッシュ, コロンビア大学・医学部, 教授
ブレスラー B.H. ブリティッシュ, コロンビア大学・医学部, 教授
フォーグル A.W. ブリティッシュ, コロンビア大学・医学部, 教授
ホレンベルグ M.J. ブリティッシュ, コロンビア大学・医学部, 医学部長
スローネッカー C.E. ブリティッシュ, コロンビア大学・医学部, 教授(主任)
小林 俊博 高知医科大学, 医学部, 助手 (40153621)
岡田 暉彦 高知医科大学, 医学部, 助教授 (00025628)
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Keywords | 細胞骨格 / 免疫組織化学 / 移行上皮 / 心筋線維 / レプトメア- / 精巣 / セルトーリ細胞 / ジストロフィン |
Research Abstract |
細胞骨格は、微細線維、微細小管の形をなして細胞質内に存在し、細胞の形態を保持するだけでなく、細胞の運動、形態変化、分泌、分化等、種々の細胞機能に関与している。従来、細胞骨格を構成する蛋白の生化学的分析、及びそれらの細胞内分布については、多くの研究がなされているが、細胞機能との関連についてはまだまだ推測の域を出ていない。細胞骨格がそれぞれの細胞機能にどのように関与しているかについて、細胞生物学的に解明していくことを目的として、研究を行った。日本側の高知医科大学第二解剖学教室では、(1)ウサギ膀胱移行上皮細胞内の細胞骨格の性状について、抗アクチン抗体、抗サイトケラチン抗体、ファロイヂン、及びHMMを用いて免疫組織化学的に解析した結果、移行上皮表層細胞の表面形質膜直下には、アクチンが存在し、膀胱の収縮伸展に伴う、形質膜よりの紡錘形空胞形成、形態変化に係わっていることが示唆された。一方表層細胞のみならず、中間細胞、基底細胞に豊富に存在する中間径の微細線維は抗サイトケラチン抗体に陽性であることが判明した。(2)マウス心室心筋線維中のレプトメア-について、アクチン、ビメンチン、デスミン等の各種の微細線維に対する抗体を用いて、免疫組織化学的に検索したが、いずれも陰性で、それ自体は全く収縮に関与しないことが示唆された。カナダ側のブリティッシュコロンビア大学解剖学教室では、(1)ラット精巣の曲精細管内で、精子細胞の変態の際に、セルトーリ細胞の細胞質にみられる微小管は、精子細胞の核を両側より挟み、丁度エレベータ-の様に、精子細胞を上下させ、その間に変態を行わしめる、重要な機能を持つことを明らかにしている。(2)マウス骨格筋では、抗ジストロフィン抗体により筋線維膜が陽性に染色されるが、筋紡錘内線維赤道部の知覚神経線維の付着部では陰性で、知覚神経線維が絡み付く様子が観察出来ることが判明した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kanoh N,Kumoi T,Kobayashi T,Okada T,Seguchi H: "Ultracytochemical study of ouabain sensitive K-dependent p-nitrophenyl phosphatase activity in stria vascu laris of reserpinized guinea pig." Acta Otolaryngol.113. 142-145 (1993)
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[Publications] Nasu F,Seguchi H,Inomata K: "The confronting cisternae in the huppocampal neurons of rats and Japanese monkey." Ann.Anat.175. 81-84 (1993)
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[Publications] Figueredo da Silva J,Hosokawa T,Okada T,Kobayashi T,Seguchi H: "Localization of acetylcholineste rase activity in the mouse heart." Acta Histochem.Cytochem.26. 197-202 (1993)
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[Publications] Hosokawa T,Okada T,Kobayashi T,Hashimoto K,Seguchi H: "Ultrastructural and immunocytochemi cal study of the leptomeres in the mouse cardiac muscle fibre." Histol.Histopath.9(in press). (1993)
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[Publications] Kobayashi T,Zhang SX,Okada T,Garcia E,Seguchi H: "Immunohistochemcial study of the cytoskeleton of rabbit transitional epithelial cells." J.Histochem.Cytochem.(in preparation).
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[Publications] Kobayashi T,Jiang XD,Garcia E,Okada T,Robinson JM,Seguchi,H: "Co-localization of Alkaline phosphatase and NADPH oxidase activity" J.Cell Biol.(in preparation).