1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05101003
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大泊 巌 早稲田大学, 理工学部, 教授 (30063720)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷川 庄一郎 筑波大学, 物質工学系, 教授 (90011080)
星野 忠次 早稲田大学, 理工学部, 助手 (90257220)
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Keywords | シングルイオン / シングルイオン注入 / FIB / 点欠陥 / 物質制御 / 陽電子消滅 / 極微構造 / 表面構造相転移 |
Research Abstract |
極微構造半導体の物性制御の手段として、イオンを1個ずつ抽出して、試料の極微小部に注入するシングルイオン注入法(Single lon lmplantation,SII)の実現のために、(1)シングルイオンの抽出及び照射領域への照準、(2)sIIによる結晶欠陥生成の温度依存性を解明するための試料冷却機構、(3)その場熱処理を可能にするための急速熱処理機構、の性能試験を行い基本性能を確認した。またGa^+イオンによる約50nm位のビーム集束ならびに像観察機能を達成した。 極微構造半導体におけるSIIの効果を解明するため外部に製作委託したテスト試料が平成6年度末に納入される運びとなったので、シングルイオン注入装置を用いて、近々0.1〜0.05μmの極微加工およびSII効果確認実験を開始する予定である。 平成6年度は、単色陽電子ピ-ムラインの整備および陽電子消滅γ線測定システムの整備を行った。この過程で、全く新しい手法による極めて高効率の陽電子減速法を発見した。この方法は、高抵抗シリコンや半絶縁性GaAsやダイヤモンドを陽電子ストッパーとして利用し、これに電場を与え、ストッパー中で熱エネルギーにまで減速された陽電子の約40%を陽電子仕事関数か負である金属薄膜に導き、単色の低速陽電子へと変換させるものである。この方法では、低速陽電子への変換効率は、少なく見積もっても10%と予想される。従来の変換効率が、0.01%のオーダーであるので、当初計画していたものに比べ、1000倍の強度の陽電子線を利用できることになる。この開発と平行して、半導体中の点欠陥の深さ分布測定を多数の試料に対して適用し、他の方法では得られないユニークな欠陥情報を得、精密な理論的解析との対比を可能にした。また、陽電子マイクロビームの軌道計算に基づく静電レンズ系の試作により、100keVで、ビーム径か1μm以下、発散角が1度以下のビームを得る見通しをつけた。 極高真空中で、Si(111)結晶における1×1→7×7構造相転移のその場観察を行い、多数の原子が協同する特異な新現象を発見した。
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