1994 Fiscal Year Annual Research Report
核酸構造解析のための安定同位体標識多次元NNR法の開発
Project/Area Number |
05101004
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
京極 好正 大阪大学, たんぱく質研究, 教授 (90012632)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿久津 秀雄 横浜国立大学, 工学部, 教授 (60029965)
甲斐荘 正恒 東京都立大学, 理学部, 教授 (20137029)
|
Keywords | 核酸構造 / 安定同位体標識 / 多次NMR / 高分解能NMR / 固体NMR / 糖の二面角 / NOEの精度 / 固体HOHAHA |
Research Abstract |
(1)安定同位体標識したピリミジンヌクレオシド類の効率的合成を目的として、標識した尿素・酢酸・シアン等からウラシル塩基を合成し、さらに標識グルコースから誘導したりボ-スとのカップリング反応を利用しウリジンに導く経路を確立することができた。これで4種のヌクレオチドすべて安定同位体標識が可能になるので、来度半ば迄にRNA/DNAの望みの部位に同位体標識する技術が確立できる見通しが立った。また、」3C、2H-二重標識したDNA等を利用し、従来では得られなかった核酸主鎖の回転二面角の精密測定法を確立した。(2)得られたNMRデータから立体構造を計算する際、核酸の場合は構造の自由度に対して束縛条件が著しく少ない。そういった場合実験データの精度が得られる構造の信頼度、精度にどの程度影響するか検討した。標識されたチミジンを組み込んだ24mer鎖4本からなるHolliday構造モデルにおいてチミジンのシグナルのみ観測することに成功した。また、同じくチミジンをCroリプレッサーの結合部位O_R3 17merの片方の鎖に入れたものでも各チミジンのシグナルを観測し、Croを加えた時の著しい広幅化とシフトを検出した。(3)固体NMRに関しては本年度は主に二つの測定法の開発を進めてきた。一つは昨年に引き続き、13Cの化学シフトの異方性と13C-1H双極子相互作川の相関を用いて二面角を決定する方法で、装置の導入に伴い実験による検証にとりかかっている。もう一つは溶液におけるHOHAHA、INEPTに対応する固体測定法の実用化であり、13C、15Nで一様に標識されたアデノシンを対象として、固体HOHAHA、固体TEDOR 2次元NMRスベクトルの測定を行った。開発した2次元用パルス系列により、上記のアデノシンの全ての13C、15Nが分離して観側され、二つのスペクトルにより完全帰属が行われた。これらの方法が固体でこのように複雑な系に適用されたのは世界で初めてである。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] S.Tate: "Sequential backbone assingnment in 13C Iabeled DNA by the 1H,13C,31P triple resonance experiment HCP-CCH-COSY" J.Magnetic Resonance,Series B. 106. 89-91 (1995)
-
[Publications] A.Ono: "Proparation and heteronuclear 2D NMR spectroscopy of a DNA dodecamer containing a thymidine residue with a uniformly 13C-Iabeled deoxyribose ring" J.BiomolecularNMR. 4. 581-586 (1994)
-
[Publications] S.Tate: "An alternative triple-resonance methods for the through bond correlation of intranucleotide HI^1 and H8 NMR signalsop purine ucleosides" J.Amer.Chem.Soc.116. 5977-5978 (1994)
-
[Publications] C.Kojima: "Filtering methods for singlet and doublet signals in NMR spectra of DNA oligomer" J.BiomoleculaR NMR. 4. 181-191 (1994)
-
[Publications] T.Odahara: "Dynamic properties of nucleic acids in supramolecular systems as studied by 31P NMR" J.Biochemistry. 115. 270- 278 (1994)
-
[Publications] H.Akutsu: "Dynamic structures of intatc chicken erythrocyte chromatines as studied by 1H-31P cross polarization NMR" BiophysicaI J.667. 804-811 (1994)