1993 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキチンサイクルが支配するがん細胞の増殖と染色体不安定化
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05151064
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
瀬野 悍二 国立遺伝学研究所, 分子遺伝研究系, 教授 (30076989)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 秀世 金沢大学, 薬学部, 助教授 (40111554)
鮎沢 大 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教授 (00142109)
花岡 文雄 理化学研究所, 細胞生理学研究室, 主任研究員 (50012670)
杉本 勝則 名古屋大学, 理学部, 助手 (90192616)
辻 秀雄 放射線医学総合研究所, 遺伝研究部, 主任研究官 (40163795)
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Keywords | ユビキチン / 動物細胞 / 温度感受性 / 細胞周期 / 染色体 / 核小体 / リン酸化 / リボゾームRNA |
Research Abstract |
目的:がん細胞の特性である異常増殖を細胞周期の面で捉え、その制御に関わるユビキチンの代謝サイクルの役割を関連遺伝子の温度感受性変異株を用いて分子遺伝子、生化学の手法により明かにする。 1.DNA複製および修復に関わるE2分子種の同定とクローン化を、非許容温度下、E1の変異に起因してユビキチンを受け取れなくなることを指標に、紫外線高感受性を示すE1変異株ts85、tsFT5、tsFS20について行った。 2.E1の細胞周期上の発現はmRNA、蛋白質の両レベルで構成的であるが、細胞周期の各期に要求されるE1活性のレベルは各々異なるので、翻訳後修飾による活性調節としてリン酸化を検討した。E1上の特定位置のセリン残基が細胞周期M期に依存してリン酸化され、そのリン酸化はcdc2キナーゼによることをin vitro、in vivo両方で証明した。 3.ts85は制限温度下G2期に停止するが、その際、核小体が異常形態を示すことを発見した。すなわち、核小体の中心部に間隙領域ができるが、電子顕微鏡観察によってこの間隙領域には均一サイズの粒子(直径約70nm)が星雲状に存在した。この粒子の実体を明かにすべく解析を進行中であるが、熱応答蛋白質HSP70の関与が蛍光免疫染色によって示唆された。また、G2期停止ts85細胞を許容温度に戻してM期まで進ませ、染色体をギムザ染色したところ、核小体の解離が不完全であることを示す染色体異常が認められ、銀染色、およびrDNAをプローブに用いたFISH及びセントロメア由来の反復配列DNAをプローブにしたFISHで核小体の異常に起因することを確認した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yamao,F.: "Conditional resistance to thymineless predominantly…" Mutation Res.289. 83-89 (1993)
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[Publications] Kusubata,M.: "Cdc2 Kinase phosphorylation of desmin at three……" Biochem,Blophys,Res,Commun.190. 927-934 (1993)
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[Publications] Honda,R.: "Dephosphorylation of human p34^<cdc2> kinase on boht……" FEBS Lett.318. 331-334 (1993)
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[Publications] Kitagawa,M.: "Butyrolactone I,a selective inhibitor of cdk2 and……" Oncogene. 8. 2425-2432 (1993)
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[Publications] Mori,M.: "Characterization of DNA synthesis at restrictive……" J.Biol.Chem.268. 16803-16809 (1993)
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[Publications] Ogata,T.: "Genetic complementation of the immortal phenotype in……" Somat.Cell Molec,Genet. (印刷中).