1993 Fiscal Year Annual Research Report
慢性骨髄性白血病に対する遺伝子治療に向けのての基礎研究
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05152080
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
杉山 治夫 大阪大学, 医学部, 助手 (70162906)
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Keywords | 慢性骨髄性白血病 / 遺伝子治療 / リボザイム / bcr-abl |
Research Abstract |
がんは、そのがんに特異的な原因により生じるので、その特異的な原因を、特異的な方法で、除去、消失させれば、治療させうると考えられる。慢性骨髄性白血病(CML)では、bcr-abl fused gene productがCMLを引き起こすので、このproductの不活性を目指した遺伝子治療が、根本的な、特異的治療法として、今後、必須の治療法になると考えられる。本研究目的は、CMLの遺伝子治療に向けて、そのモデル系を作り上げることである。現時点では、以下の成果を得ている。 1.bcrのexon2とc-ablのexon3のfused geneをtargetにする55bpのribozymeを合成。このribozymeをプラスミド・ベクターに挿入し、ribozyme vectorを構築した。 2.bcrのexon2とc-ablのexon3のfused geneを持つことが知られている3種類のCML由来の細胞株(K562、SAM1、KU812)のbreakpoint領域をcloning→sequencingし、これらの細胞株は、bcr exon2とc-abl exon3のfused geneをもち、かつ、breakpoint付近にmutationをもたないことを確認した。 3.これらのcell lineから、クローニングしたbreakpoint領域をinsertしたvectorから、T_3、T_7プロモーターを用いてRNA transcriptを合成。このRNA treancriptをribozymeが切断しうるかを、目下in vitroで検討中である。
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