1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05202103
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐伯 胖 東京大学, 教育学部, 教授 (60084448)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 なほみ 中京大学, 情報科学部, 教授 (00174144)
野嶋 栄一郎 早稲田大学, 人間科学部, 教授 (20000086)
菅井 勝雄 大阪大学, 人間科学部, 教授 (40000294)
|
Keywords | 情報教育 / CAI / ハイパー・メディア / コンピュータリテラシー / メタ認知 |
Research Abstract |
高度情報化社会における人間行動の変化において、学習・教授行動に関する変化は重要な位置を占めており、そこには新しい観点からの学習論、教授理論が求められてきている。当班では、構成主義にもとづく学習・教授理論、状況主義からの学習・教授論が、従来の行動主義を乗り越えて、子どもの知的探求を重視し、自然や社会との相互作用の中での学習を育てる環境としてのコンピュータ、マルチメディアの利用のあり方を、理科教育(天文分野)での実践を例にして提言している。また、このような考え方で、へき地の子どもたちに自己内省を支援して道徳性を育てるという、新しい実践が報告されている(以上、菅井グループ)。このようなまた、国際ネットワーク通信を教育に利用するという試みの実証的研究も深めている。とくに、第2言語の獲得、外国文化の理解、外国人とのコミュニケーションスキル、コンピュータならびにメディアリテラシー等の教育に大きな期待がもたれるが、それらについての着実な実証的研究がおこなわれた(野嶋グループ)。さらに、ハイテク時代において、複雑な機器の操作を学習する際の認知過程についての地道な研究として、直接的に機器を操作させるよりも、むしろ、頭の中で「メンタルモデル」を構成することの重要性を実験的に検証している。具体的には、ワードプロセッサのコマンドについて、まだ知らないコマンドの働きや使い方を理解しようとする課題と、コピー機で両面にコピーされたオリジナルから自動的に両面コピーを作成するときのオリジナルの動きを推測しようとする課題を対象に分析された(三宅グループ)。
|
Research Products
(12 results)
-
[Publications] 佐伯 胖: "コンピュータで学校は変るか" 教育社会学研究. 第51集. 30-52 (1992)
-
[Publications] 佐伯 胖: "「状況」から「教育」へ" CODER NEWS LETTER. Vol.6. 1-3 (1993)
-
[Publications] 佐伯 胖: "文化的実践への参加としての学習" 教育学年報. 2. 145-169 (1993)
-
[Publications] 野嶋 栄一郎: "国際コンピュータ通信とコミュニケーションスキルの育成-その研究背景-" ヒューマン サイエンス. Vol.5. 28-35 (1993)
-
[Publications] 三宅 なほみ: "発問による状況そのものの内省" 日本認知科学会第10回大会発表論文集. 192-193 (1993)
-
[Publications] Naomi Miyake: "The role of reflection in understanding systems" FRIEND 21 '94 International Symposium on Next Generation Human Interface PROCEEDINGS. Metaphor I-2 (1994)
-
[Publications] 菅井 勝雄: "教育工学-構成主義の「学習論」に出あう" 教育学研究. 第60巻. 237-247 (1993)
-
[Publications] 菅井 勝雄: "コンピュータの活用を考える" 中学の広場. 138号. 4-11 (1993)
-
[Publications] 菅井 勝雄: "教育の方法と技術の基礎理論" 教育の方法と技術. (1993)
-
[Publications] 菅井 勝雄: "コンピュータ教育と授業づくり" 解放教育'93. 連載(1)〜(7). (1993)
-
[Publications] 佐伯胖: "教室にやってきた未来" 日本放送出版協会, 190 (1993)
-
[Publications] 稲垣忠彦: "コンピュータ-新しい可能性をさぐる" 岩波書店, 210 (1993)