1993 Fiscal Year Annual Research Report
任意形状地表に適用可能な地中レーダー信号処理法に関する研究
Project/Area Number |
05205205
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐藤 亨 京都大学, 工学部, 助教授 (60162450)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 磐根 京都大学, 工学部, 教授 (00025884)
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Keywords | 遺跡探査 / 地中レーダー / 信号処理 / 離散モデルフィッティング法 |
Research Abstract |
本研究は、平坦でない地表を走査した地下探査レーダーデータを処理し埋設物体像を再構成する信号処理法の開発と実証を目的としている。このため実際に平坦でない地面を実験場に作り、その下に埋設した標的を観測してそのデータを上の方法で解析することにより、この手法の精度や適用範囲を実験的に検証し、実用に耐える性能と処理速度を持つアルゴリズムを開発した。 本研究に用いる解析法は、反復解法を用いているため演算量が従来の開口合成法などに比べて多く、パーソナルコンピュータによる処理能力では不十分である。そこで従来シミュレーションに用いていたものと同等の性能を有し、かつ送受信機と一体化が可能な小型ワークステーションを購入し、受信信号を取り込むためのインターフェースを開発して可搬型のデータ処理システムを構築した(佐藤)。特に可搬型システムにおける記憶容量や処理速度を考慮してアルゴリズムの改良と最適化を行ない、推定結果を実時間に表示できる性能を実現した。 これと並行して平坦でない地表面からの反射波の影響を推定モデルからの反射波の計算に組み込むための散乱理論の検討を行ない、実用的な計算法を選定した(木村)。特に地表が平坦でない場合の送受信点近傍の地面による反射波の影響をFDTD(有限時間差分)法により定量的に調べ、受信波形に与える影響を明らかにして、これに影響を受けない離散モデルフィッティング法を用いた信号処理法の開発を行なった。
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[Publications] T.Sato,K.Takeda,T.Nagamatsu,T.Wakayama,I.Kimura,and T.Shinbo: "Automatic signal processing of front monitor radar for tunnelling machines" Proc.5th Int.Conf.on Ground Probing Radar. (予定). (1994)
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[Publications] 若山俊夫,佐藤亨,木村磐根: "離散モデルフィッティング法によるレーダー物体像の再構成-レイトレーシングによる高速化-" 電子情報通信学会技術研究報告. SANE93-51. 59-66 (1993)
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[Publications] 佐藤亨,木村磐根: "任意形状地表に適用可能な地中レーダー信号処理法に関する研究" 重点領域「遺跡探査」第二回研究成果検討会議論文集. 188-199 (1994)