1993 Fiscal Year Annual Research Report
0〜1歳児期の認知・言語発達における視聴覚情報受容機構のディジタル解析
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05206107
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 昌人 京都大学, 教育学部, 教授 (90025106)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 真介 京都大学, 總合人間学部, 助手 (60201620)
竹下 秀子 滋賀県立短期大学, 家政部, 講師 (90179630)
田中 杉惠 滋賀大学, 教育学部, 教授 (80217041)
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Keywords | 4か月初期-中期-7か月期の発達 / 縦断研究 / 対提示課題 / 提示物と手の交互注視 / 4か月微笑と追視の特徴 / 7か月期の可逆対操作 / 乳児期前半の発声の発達的変化 / 片麻痺の早期発見 |
Research Abstract |
ヒト乳児14名に7種類の対提示課題を実施して縦断研究を行った。その結果、13名に4か月初期から中期へ移行する時期に、支坐位で物が提示された場合にリーチングの前段階として、先ず利手側で「提示物と手を交互にみること」から、弱手側でもそれがみられることへの変化があり、それ以降手をみる現象は消失し、提示物のみをみてそこに手を出すようになる経過があることが明らかになった。 提示物と手の交互注視が弱手側にも現れる頃、支坐位での安定性が増す。上体が傾いても頭が立ち直り始め、母指が開いて手と手を触れ合わせて自分から相手に微笑み、左-右、上-下の追視課題で途中や折り返し点で途切れることなく往復追視ができ、人や物を見る時間が長くなる。片手に物を持たせると胸許へ引き寄せ、口へつけ、視線を前方に向け、相手をみる。両手に持たせると胸許へ引き寄せて物をみる。物と手を介した、前-後、上-下への基本関係が発展して、人や音への関心も高くなり、周波数の収束性の高い、長く続く発声、さらには口唇閉塞音が現れてくる。このような特徴をもった時期を経て、7か月期には正中線を越えた反対側へのリーチングが成立し、対人・対物認知をもとにした可逆対操作が展開するようになる 14名中1名は、4か月初期にみられた一側性が4か月中期に同側のみで強化され、7か月期にはリーチングおよび伏臥位での旋回で4か月初期と同側の一側制御が強く、片麻痺と診断され、リハビリテーションを受けることになった。4か月における本症早期発見手技の手がかりがえられたと考える。 さらに新しい試みとしては音声の波形編集ソフトDSPを用いて10分の1秒ずつ、時間、周波数、振幅の3次元解析を行った。その結果、産声に3段階の変化が見出されたこと、4か月初期と中期さらに7か月期の泣声と発声の抑揚の周波数の収束過程に顕著な発達的変化を見出すことができた。ここにも発達診断の精度をあげる手がかりがえられた。以上のように4か月の認知・言語発達における視聴覚情報受容機構の特徴が明らかとなった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 田中昌人: "蘭学における発達の概念の導入について" 京都大学教育学部紀要. 39号. 182-217 (1993)
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[Publications] 田中杉恵: "生活年齢の高い障害児・者の発達診断と考察(3)-I次元形成期-" 滋賀大学教育学部紀要. 43号(印刷中). (1994)
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[Publications] 田中真介: "Slow Walkers 5" 発達. 56号. 92-100 (1993)
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[Publications] 田中昌人・田中杉恵: "発達診断の実際(乳児期)ビデオと解説書(ビデオ120分 解説書46ページ)" 大月書店, (1993)
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[Publications] 竹下秀子(共著): "子どもの発達と環境教育" 京都法政出版, 2-57 (1993)