1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05206112
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Research Institution | Toyo Gakuen University |
Principal Investigator |
水野 節子 東洋学園大学, 人文学部, 教授 (50141247)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長原 和子 東洋女子短期大学, 英語英文科, 助教授 (50105003)
藤崎 博也 東京理科大学, 基礎工学部・電子応用工学科, 教授 (80010776)
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Keywords | 音声言語の習得 / 音響的特性 / 一連のパタン / コミュニケーションの成立 / 欲求の充足 / 対話の形式の習得 / 欲求の表現 / 音調の変化 |
Research Abstract |
幼児が周囲の談話の中から言語を習得していくとき、幼児は単音をひとつずつ認知し、模倣するのではなく、むしろ話し手の音響的特徴の一連のパタンを学習する。さらに幼児の言語は、成人の言語の不完全な部分というよりはむしろ、幼児の欲求等をより的確に伝えるための完結したコミュニケーションを成立させている。本研究では幼児におけるコミュニケーション成立の観点から、音声言語の習得過程を明らかにした。(1)コミュニケーションの成立とその要素;幼児の初期の発話行動は、応答反応、欲求表現の相手に対する意図的な表現活動が月齢に従って増大することを示した。さらに応答反応の中で、音声反応とくに音声言語反応の比率が増大することを定量的に明らかにした。(2)幼児における欲求充足とコミュニケーションの成立;幼児はその成育過程において、あいづちにみられるように、極く自然な形で対人間の対話という形式を学習していく。発達初期における幼児の行動が、月齢に従って、自発的行動から因果関係の理解に基づく目標行動、次に欲求を表現し、他者の行動を促す行動が増大する過程を明らかにした。さらに欲求の表現においても、一次的欲求の内の好奇心、二次的欲求における親和欲求に基づく行動が比較的初期に出現することを示した。さらに12ケ月頃からは生理的欲求に基づく目標行動が明確になり、欲求の表現に際して言語を用いて欲求の表現を精密化し、欲求の充足に際して他者の行動を促す経過がみられた。(3)コミュニケーションの成立と音声言語;幼児が他者とコミュニケーションする為には送り手として1)伝達すべき情報をもつこと 2)発信の意図さらに 3)シンボルを伝達し得る能力、手段をもつことが必要である。言語音声の習得と並行して音調が習得される経過を幼児の対話形式の習得、及び他者への働きかけとその結果のフィードバックに基づく音調の変化の観点から検討した。
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Research Products
(1 results)