1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05206113
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
渡辺 茂 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (30051907)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
友永 雅己 京都大学, 霊長類研究所, 助手 (70237139)
土居 道栄 奈良女子大学, 文学部, 教授 (20116289)
濱中 淑彦 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (50026879)
室伏 靖子 立命館大学, 文学部, 教授 (80027482)
實森 正子 千葉大学, 文学部, 教授 (80127662)
|
Keywords | 認知 / 比較研究 / 言語 / 神経心理学 / ハト / チンバンジー |
Research Abstract |
本年度においては概ね、以下のような成果が得られた。 1)人間の研究:人間の乳幼児を用いた研究では同一性、類似性、等価性の検討を行ない、1歳前後では絵と実物の同一性認知は獲得されておらず、言語レベルとの対応は必ずしも認められないが、カテゴリー表象の媒介が推察される等価性認知は2才期で急速に獲得され、言語ラベルと概念的カテゴリーの獲得との関連が示唆された。また、重度言語発達遅滞児での図形シンボルと会話エイドの応用の研究では実践場面でのデータ集積がなされた。さらに神経心理学的研究では失語疾患者において類似性判断を用いて語彙構造が変化することが観察された。 2)哺乳類の研究:チンパンジーにおいてテクスチャー弁別と陰影による形状弁別の実験がなされ、人間と同様に要素間の局所的類似性がテクスチャー弁別を阻害することが明らかになった。しかし、陰影による形状知覚は人間と異なり、水平方向の陰影による弁別の方が容易であることが示された。また、タイワンリスの野外および実験室での捕食者認知で研究では捕食者のタイプによる警戒音の分化は必ずしも十分になされていないことがわかった。 3)鳥類の研究:ハトを用いた研究では実際のハトを用いた性の弁別が可能であり、かつ新奇個体での般化も認められた。さらに、映像を用いたハトの運動パターンの弁別も可能であった。また、運動をハトの体につけた点の運動とした場合にも運動弁別が可能であることが示唆された。また、キンカチョウの発声の研究では従来運動機能のみであるとされてきたRAのニューロンが音声刺激に応答することが明らかにされた。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Tomonaga, M.: "Face perception in a chimpanzee (Pan troglodytes) and humans" Anais de Etologia. 13. 20-38 (1995)
-
[Publications] Borlongan. L. & Watanabe. S: "A rapid assessment of stimulus propertics of morphime" Life Science. 57. 171-174 (1995)
-
[Publications] Watanabe, S.: "Discrimination of monet and Picasso in pigeons" J. eyperimental Analysis of Behavior. 63. 165-174 (1995)
-
[Publications] Watanabe. S. et al: "Factor of Familiarity in sibling recognition in Goldem Hamsters" J. Ethology. 13. 17-22 (1995)
-
[Publications] 渡辺茂・杉山尚子: "比較認知科学と運動学習" Sports Sciences. 15. 9-14 (1996)
-
[Publications] 古屋泉・渡辺茂: "ハトにおける三田キャンパス内建築物の認知" 慶応義塾大学院社会学研究科紀要. 41. 23-31 (1995)