1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05207105
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
福井 捷朗 京都大学, 東南アジア研究センター, 教授 (10027584)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五十嵐 忠孝 京都大学, 東南アジア研究センター, 助教授 (30107510)
中野 和敬 鹿児島大学, 南太平洋海域研究センター, 教授 (70155779)
大塚 柳太郎 東京大学, 医学部, 教授 (60010071)
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Keywords | 人口 / 食糧 / 東南アジア / オセアニア |
Research Abstract |
人口と食糧をテーマに、アジアを中心としてケーススタディーを収集、通覧、評価した結果、これまでのところ以下の諸点が明らかとなった。 1.調査地の偏向 閉鎖人口仮定が許されるような調査地、たとえば南太平洋地域の孤島を対象とした研究例が多い。しかし今日の世界で、閉鎖人口の仮定が現実的な課題に対して意味をもつ場面は減少しつつある。 2.パラダイムの問題 小人口を対象とした食糧-人口調査では、何らかの伝統的方法による人口調節によって、意識的、無意識的に集団が「適応」していることを論ずるものが多々ある。しかし、このようなパラダイムは、近代化の波に洗われつつある多くの塗上国の現実からあまりにも掛け離れている。 3.ディシプリン研究の限界 人口動態にのみ集中した研究、逆に食糧その他の資源量の枯渇に重点をおいた研究などがしばしばみられるが、食糧と人口の両者に等しく重点をおいた研究例は少ない。単独研究者による調査の限界と思われる。 以上のことから、社会的分業が進み、人、もの、情報が移動的である複雑な社会を前提とした人口-食糧収支の研究が、今日的課題にとって必要であること、並びに、そのような研究のためには学際的協同が望まれることが、今後の研究の進め方として配慮すべき点と思われる。
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