1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05207109
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
土屋 健治 京都大学, 東南アジア研究センター, 教授 (60009701)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
弘末 雅士 天理大学, 国際文化学部, 助教授 (40208872)
西村 重夫 京都大学, 東南アジア研究センター, 助教授 (90132422)
横山 俊夫 京都大学, 人文科学研究所, 助教授 (40027553)
白石 昌也 横浜市立大学, 文理学部, 教授 (70127330)
河上 倫逸 法学部, 教授 (80093227)
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Keywords | 外文明 / 内世界 / 文明と文化 / 境界性 / 意味空間 / 国民国家 / 東南アジアの世界像 / 国民統合 |
Research Abstract |
本年度の研究成果の概要は、季刊誌『総合的地域研究』第4号(1994年3月刊)に収められている。 そこでは第1に、外文明、内世界、外、内、文明、文化、世界等の研究班のキータームについての検討が加えられた。共通の了解事項として何をどこまで共有するのかという点が不完全ながら明らかにされた。他方、基本的概念のあいまいさについてもいくつかの問題点が指摘され、今後の課題とされた。 中でも問題とされたのは、「外」「内」を分ける根拠は何かという点であり、「外」と「内」を二項対立的に分けるのではなく「外」が「内」に入りこみ「内」が「外」へはみ出していく相互作用と両者の境界領域こそが重要であろうという点であった。これについては、上記の季刊誌第4号の「座談会:外文明と内世界をめぐって」に示された通りである。 第2に、東南アジアの時間論、歴史観、死生観のような文化の根幹にかかわるところから、現在の国家体系や国民統合の問題をあらためて考えてみようという視点が提示された。これらの点は、理論研究として行われるよりも、個別の具体的な事象を通して行われるべきであるという共通の理解が示された。 第3に、他の研究班と積極的に交流を行ない、そこからいくつかのよい成果が生まれた。計画研究B02班のほか、公募研究班とも研究交流を行ない、国民国家論についての新しい視角を与えられた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 土屋健治: "Culturalismについて" 東南アジア:歴史と文化. 22. 201-218 (1993)
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[Publications] 土屋健治: "文化の翻訳-意味空間のなりたち" 矢野暢編『地域研究の手法』弘文堂. 197-223 (1993)
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[Publications] 土屋健治: "創られる国民国家-インドネシア独立記念日考" 矢野暢編『地域研究のフロンティア』弘文堂. 225-246 (1993)
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[Publications] 白石昌也: "ベトナムの脱植民地化" 三谷太一郎編『岩波講座 近代日本と植民地8 アジアの冷戦と脱植民地化』岩波書店. 159-180 (1993)
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[Publications] 西村重夫: "国民統合と教育-マレーシア・サバ州・N小学校の変容をめぐって-" 東南アジア研究. 31-4. 3-22 (1994)
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[Publications] 弘末雅士: "北スマトラにおける港市国家と後背地" 東南アジア-歴史と文化-. 22. 3-35 (1993)