1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05207113
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
高谷 好一 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (90027582)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 健一 国立民族学博物館, 地域研究企画交流センター, 助手 (80222644)
松原 正毅 国立民族学博物館, 地域研究企画交流センター, 教授 (30110084)
家島 彦一 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (90014472)
掛谷 誠 京都大学, アフリカ地域研究センター, 教授 (30020142)
応地 利明 京都大学, 東南アジア研究センター, 教授 (60024212)
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Keywords | 地域研究 / 新世界秩序 / 世界単位 / 多元的世界観 / 地域間研究 / ポスト・モダン / 東南アジア像 / 地域認識 |
Research Abstract |
「世界単位」と「地域間研究」という二つの概念が定着してきており、この班ではそれをさらに精緻化する作業を進めてきた。前者にかんしては応地が南アジアと乾燥アフリカを、掛谷が湿潤アフリカを、家島がインド洋世界を、松原がトルコ世界を、阿部が東南アジア世界を、それぞれ中心的な守備範囲として進めてきた。これらの共同研究の成果はひとまずは、高谷好一『多文明世界の構図』中公新書、(1997年)として出版された。 「地域間研究」の方では、平成6年度の南アジアと中東、平成7年度の中国とアフリカの4つの地域間比較につづいて、今年度は2つの研究会が持たれた。ひとつはヨーロッパとの比較であり、今ひとつは日本との比較であった。 ヨーロッパとの比較は「地域間研究;東南アジアとヨーロッパ」として平成8年9月に行われた。これには角山栄氏ら、ヨーロッパの専門家の援助をいたただいた。近年を成立させたヨーロッパと、それとは全く違った道をやって来た東南アジアが、どのような本質的な違いを持っているのかが論じられた。日本との比較では「地域間比較のあり方;東南アジアと日本をめぐって」として平成9年2月に行った。ここではネットワーキング型社会とでも呼べそうな東南アジアと日本型小中華世界とでも呼べそうな中心型の社会の違いが論じられた。 いくつかの「地域研究」をやって来て、結論として得られたことは、東南アジアは熱帯多雨林多島海に広がるネットワーキング型の世界であるということである。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 高谷好一: "エリアスタディの現状と課題" 地誌年報(広島大学). 5号. 47-57 (1996)
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[Publications] 応地利明: "「地域」間研究の海へ-地域研究の現段階" 総合的地域研究. 12号. 14-16 (1996)
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[Publications] 応地利明: "地誌研究と地域研究-認識論的ノート" 西川治縞『地理学概論』(朝倉書店). 229-249 (1996)
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[Publications] 掛谷 誠: "焼畑濃耕社会の現在" 田中二郎ら編『統自然社会の人類学』. 243-269 (1996)
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[Publications] 阿部健一: "熱帯多雨林から地域研究へ" 総合的地域研究. 13号. 10-11 (1996)
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[Publications] 家島彦一: "イブン・バットゥータ大旅行記 I (訳註)" 平凡社(東洋文庫), 418 (1996)
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[Publications] 応地利明: "絵地図の世界像" 岩波新書, 229 (1996)
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[Publications] 高谷好一: "多文明世界の構図" 中公新書, 222 (1997)