1993 Fiscal Year Annual Research Report
シトクロムオキシダーゼの鉄と銅の役割の遺伝子工学的手法による検討
Project/Area Number |
05209224
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
曽根 〓史 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (20049034)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏木 浩 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (10000853)
坂本 順司 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (80175364)
野口 俊介 九州工業大学, 情報工学部, 助手 (30222194)
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Keywords | シトクロムオキシダーゼ / シトクロムC / Cu_A活性中心 / 電子伝達 / 遺伝子工学 / ヘムO / トリプシン限定分解 |
Research Abstract |
好熱性バシラスPS-3のシトクロムオキシダーゼは4種のサブユニットからなり、その活性中心にはCu_A(サブユニット )、ヘムFe_A,とヘムFe_<a3>-Cu_B(サブユニット )をミトコンドリアの酵素と同様に持っており、さらにサブユニット にはシトクロムcの遺伝子レベルでの融合が見られるという特徴を持つ。この酵素における鉄と銅の役割を知るべく実験を行ない次の結果を得た。 1)シトクロムa_3部位のヘムをヘムAからヘムOに変換し、活性、シアン感受性および共鳴ラマンスペクトルに及ぼす影響を調べた。あまり大きな変化はなかったのでヘムAにおけるホルミル基は重要な役割をもたないと思われる。 2)トリプシンによる限定分解を行ない、活性を保持した状態でサブユニット がかなり特異的に切断される。シトクロムcとCu_Aを含む26kDaの可溶性ドメインはなおオキシダーゼ本体に結合しているが、界面活性剤と5Mの尿素中でゲル濾過することにより分離できる。分離した26kDaの可溶性ドメインを残りの膜性部分に添加すれば活性は回復する。また架橋試薬を用いてサブユニット - 間の接触を見た。 3)分離された可溶性ドメインの分析よりCu_A部位が銅2原子よりなるバイヌクレアーセンターである可能性が示唆された。 4)PS-3のサブユニット をコードする遺伝子(caaA)を用いて、可溶性ドメインをふくみ膜貫通部分を含まない27kDaの蛋白質を大腸菌において過剰発現させることに成功した。培養条件によるが一部はヘムCを結合している。 5)前項で得た標品を2)項の系をもちいてオキシダーゼ活性を回復することを試みている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] N.Sone,H.Tano&M.Ishizuka: "The genes in the thermophilic cyanobacterium Synechococcus Vulcanus encoding cytochrome-C oxidase" Biochimica Biophysica Acta. 1183. 130-138 (1993)
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[Publications] N.Sone,T.Ogura,S.Noguchi&T.Kitagawa: "Proton pumping activity and Visible absorption and resonance Raman Spectra of a cao-type cytochrome c Oxidase" Biochemistry. 33. 849-855 (1994)
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[Publications] 曽根他(野沢他編): "膜学実験シリーズ Vol.生体膜編" 共立出版, 424(218-222) (1994)