1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05215206
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤木 澄義 東北大学, 大学院情報科学研究科, 講師 (00209032)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀口 剛 東北大学, 大学院情報科学研究科, 教授 (30005558)
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Keywords | クロック模型 / KT相 / 臨界指数 / 2次元ANNNI模型 / フローティング相 / ボーテックス密度 / モンテカルロシミュレーション / 有限サイズ・スケーリング |
Research Abstract |
1.三角格子上の強磁性的6-stateクロック模型のモンテカルロシミュレーションを行い中間温度領域に出現するKosterlitz-Thouless(KT)相を特徴付ける物理量の振舞を詳しく調べた.内部エネルギー,比熱,磁化,スピン相関関数の臨界指数η,磁化の動径分布関数の4次のキュムラント,磁化の動径方向の揺らぎ,磁化の回転方向の揺らぎ,ディスオーダー・パラメータとその揺らぎ,ボーテックス密度等を求めた.これらの物理量の有限サイズ・スケーリングより転移温度と臨界指数を求め,他の方法で得られた結果と比較した.(J. Phys. Soc. Jpn. 投稿中) 2.上の結果を強磁性的第2隣接相互作用を伴った三角格子上の反強磁性的イジング模型のモンテカルロシミュレーションの結果と比較する.この系は,フラストレーションの効果として各三角セル内で基底状態が6重に縮退しており,三角格子上の6-stateクロック模型との類似性が予見される.イジング変数を各セル内で6-stateクロック変数に変換し,この変換されたクロック変数と純粋なクロック模型との類似性を調べた. 3.2次元ANNNI模型では,フローティング相と呼ばれるインコメンシュレート相が中間温度領域で出現することが報告されている.この相は長距離秩序がなく準秩序状態の波数が温度の関数として連続的に変化する事が報告されておりKT相の可能性がある.中間相では波数が温度と共に変化するので波数に依存しない秩序変数を導入し,そのサイズ依存性から中間相のKT的振舞をモンテカルロシミュレーションによって調べた.また,イジング変数をクロック変数に変換し,ボーテックス密度の温度依存性を調べ純粋なクロック模型のデータと比較した.他に帯磁率,平均波数,内部エネルギー,比熱等を求め,中間相でのKT的振舞いを調べた.(投稿準備中)
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[Publications] T. Horiguchi: "Strange behavior of correlation functions for an antiferromagnetic Ising model of infinite spin on a triangular lattice" Physics Letters A. 177. 93-98 (1993)
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[Publications] T. Horiguchi: "Anisotropic antiferromagnetic XY-model of classical Heisenberg spin on triangular lattice" Physics A, in press. 発表予定.