1993 Fiscal Year Annual Research Report
高次知識構造が関与する感性的認知への記号計算モデル的研究
Project/Area Number |
05220204
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
徃住 彰文 東京工業大学, 工学部, 助教授 (50125332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 悦子 法政大学, 社会学部, 助教授 (90217498)
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Keywords | 感性情報 / 言語理解 / 合成音声 / 声質評価 / 道徳評価 / 感情 / プロトコル分析 / 対人感性 |
Research Abstract |
人間の認知システムの活動のうち、知識、概念、理解をとりあげてこれらの心理過程に含まれる感性処理的な要素を認知心理学の方法で特定し、ひいては認知システムの構成についても伝統的な見解とは異なった、感性処理主導型のモデルを提案するために、複雑で多層的な構造をもった日常的自然概念の認知過程をとりあげて心理学実験をおこなった。前年度におこなった映画・TVドラマの理解過程、広告・TVコマーシャルの評価過程、職業概念・性格概念の形成過程についての実験をひきつぎ,また本年度は新たに声質評価と道徳評価という対象を追加した.声質の評価は、関与する知識源が比較的限定され、しかも知識源相互の構造性は十分に複雑であることから選択された。道徳評価は、関与する知識源を限定することができず、かつ感情喚起を含んだ統合的な過程であることから選択された。 声質評価の実験は,合成音声を用いて音の質に関する主観的評定を被験者にもとめた.合成された言語内容そのもののわかりやすさ,ならびにその特定の言語の記憶が主観的評定に与える効果を検討した.結果として,合成音声の質の評価は,その音声や内容に関する記憶による影響を強く受けることが示された.さらに分析を深めることにより,主観的評定による感性的評価のメカニズムを検討していくことの必要性が示唆された. 道徳評価の実験は,一般的な理解過程において道徳判断や感情が喚起される要因を特定することを目的として、仮想的事件の記述に対する道徳的評価と生起した感情の記述を発語思考とともに被験者にもとめるという方法を用いた.結果として,状況の認知,道徳評価,対人感情の生起などの過程の相互依存性が見いだされ,対人感性の喚起過程についての全体像が示唆された.
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[Publications] 徃住彰文: "知識メディアと知的共同作業" 日本社会学会第66回大会報告要旨. 471-472 (1993)
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[Publications] 徃住彰文: "思考の一形態としての感性" 日本認知科学会テクニカル・レポート・感性への計算アプローチ. 11-12 (1993)
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[Publications] 徃住彰文: "CSCWの基礎としてのコンピュータ支援認知" 日本認知科学会テクニカル・レポート・感性への計算アプローチ. 48-51 (1993)
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[Publications] 徃住彰文: "映像メディア理解に含まれる感性的過程の計算モデル" 信学技報. HC92-70. 31-36 (1993)
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[Publications] 坂本百大: "人工知能は感性を持てるか" 東海大学出版会(印刷中),