1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05221206
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山本 克之 北海道大学, 工学部, 教授 (10088867)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 英治 北海道大学, 工学部, 助手 (30240633)
森川 一 旭川工業高等専門学校, 助手 (20239635)
石川 博之 北海道大学, 歯学部・附属病院, 講師 (20184492)
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Keywords | バイオメカニクス / リモデリング / 歯科矯正 / 歯槽骨 / 有限要素法 |
Research Abstract |
本研究は,生体組織の力学的適応現象を解明するための最適な研究対象のひとつとして,歯科矯正における歯槽骨の適応変形に着目し,(1)歯根部応力と歯槽骨吸収量を推定できる新たな解析手法を用いて,患者実測データを基に,歯牙移動現象の基本量である歯根部応力と歯槽骨吸収速度の定量的対応関係を明らかにする,(2)破骨細胞分布を観察する組織学的研究に,上記の手法を導入し,応力と骨吸収の因果関係を細胞レベルで解析する,(3)これらの関係より,生体の力学的適応現象を体系化するための基礎資料を得ることを目的とする.本年度は,以下の成果を得た. 1.歯槽骨適応変形に関する計測法として,患者実測データを基に歯根部における歯槽骨吸収量と応力分布を推定する手法を考案し,本手法により単位応力当りの適応変形速度を求めた.個人差はあるものの応力と歯槽骨吸収量はよい相関を示し,5〜20μm/g・mm^2・dayという推定値を得ることができた. 2.実験動物(ネコ)の犬歯に初期荷重100gを与え,2週間の牽引の後,歯根組織切片を作成して,破骨細胞の分布領域を観察した.次に,各切片の歯根部形状に基づき個体別の有限要素モデルを作成し,応力分布の解析結果を細胞分布の観察結果と比較した.両者の間には比較的明確な対応関係が見られ,破骨細胞は限られた応力範囲で出現することが明らかになった.この結果は,適当な大きさの応力が生じ,かつ血流が存在する歯根膜・歯槽壁領域で,破骨細胞が誘導されることを示唆するものであり,至適矯正力や骨の力学的適応現象を解析する上で,極めて有用な知見と考えられる.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 森川一: "歯科矯正用治療支援システム-計算機処理による予測歯列模型の構築-" 電子情報通信学会技術研究報告. MBE93-52. 89-94 (1993)
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[Publications] K.Yamamoto: "Finite element and histologic analyses of tooth for the correlation between stress distribution and osteoclast appearance" Proceedings of the Second World Congress of Biomechanics. (1994)
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[Publications] H.Morikawa: "Resorption rate of the alveolar bone during orthodontic treatment estimated from clinical measurements and 3-D FEM analysis" Proceedings of the Second World Congress of Biomechanics. (1994)
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[Publications] 森川一: "歯科矯正時の歯槽骨の力学的適応変形I-臨床計測と有限要素モデルによる歯槽骨吸収速度の推定-" 医用電子と生体工学. 32-特. (1994)
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[Publications] 西平守正: "歯科矯正時の歯槽骨の力学的適応変形II-破骨細胞分布と応力分布の相関について-" 医用電子と生体工学. 32-特. (1994)