1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05221215
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
青木 秀希 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 教授 (80014166)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 聡 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 助手 (40227898)
大柿 真毅 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 助手 (50223748)
赤尾 勝 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 助教授 (50143607)
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Keywords | 骨 / アパタイト / 運動 / 機械的強度 / ストロンチウム |
Research Abstract |
骨は、水分を除くと、約65%のアパタイト微小結晶と、約35%のコラーゲンを主体とした有機物質からなっている。このうち、骨のアパタイト結晶については不明な点が多い。特に骨アパタイトをひとつの材料とみて、その機械的強度と化学組成の関連性に着目した研究は、ほとんど報告されていない。そこで、本研究では、運動がラット大腿骨の組成と機械的強度に与える効果を検討した。 5週令のラットをトレッドミル上で1日20回、4週間の間強制的に走らせた。走行速度は、20m/minとし、3分間の休憩をはさみ、5分間走らせた。この実験群と、まったく運動を強制させない対照群の大腿骨の機械的強度と化学組成を測定した。機械的強度は、3点曲げ試験により測定した。骨アパタイトの化学組成については、カルシウムとストロンチウムに対して、エネルギー分散型蛍光X線分析法により半定量分析を行った。 強制的に運動をさせたラットの大腿骨の曲げ強度は、降伏開始強度も破断強度も共に実験群に比べて有意に大きかった。降伏開始強度は皮質骨部の強度と、破断強度は皮質骨部と海綿骨部の両者からなる系の強度と、相関が高いと考えられ、運動により皮質骨部と海綿骨部の両方の強度が高くなっていた。一方、強制的に運動をさせたラットの大腿骨のストロンチウム/カルシウム組成比は、実験群に比べて有意に大きかった。このことから、骨の強度と骨アパタイトのストロンチウム/カルシウム組成比には強い相関があることが判明した。
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