1993 Fiscal Year Annual Research Report
E2_1型金属間化合物Co_3AlCを析出相としたCo基耐熱合金の合金設計
Project/Area Number |
05223217
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
三島 良直 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教授 (00143660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 誠司 東京工業大学, 精密工学研究所, 助手 (50199949)
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Keywords | Co基耐熱合金 / E2_1型金属間化合物 / Co_3AlC / Co-Al-C三元状態図 / 高温変形強度 / 室温延性 |
Research Abstract |
本研究の目的は、現在のNi基実用耐熱合金におけるLl_2型金属間化合物Ni_3Al析出相に対応する析出相をCo基耐熱合金に導入することで、より優れた耐熱性を付与することである。 高融点の析出相として主にCo基合金に導入を図ったのは、E2_1型金属間化合物Co_3AlCで、Ni基耐熱合金の析出強化相Ni_3Alの結晶構造であるLl_2型規則構造に炭素(C)が侵入した形態を有している。Co-Al-C系の状態図は不確定であったため、まずCo近傍のCo-Al-C三元状態図を確定することに努めた。Ar雰囲気中で非消耗型アーク溶解装置によって種々の合金を溶製し、X線、示差熱分析、光学顕微鏡等による組織観察などを行い、既存の状態図に修正を施した。修正した状態図に基づいていくつかの合金を選定し、その高温変形強度を測定した。また、隣接相であるB2型金属間化合物CoAlも同時に導入を試み、Co-Co_3AlC2相及びCo-Co_3AlC-CoAl3相合金の比較も行った。その結果、B2型金属間化合物CoAlを含むものは、必然的にAl量も多く、耐酸化性、比重などの点で有利と考えられるが、高温における強度の点では2相合金の方が有望であることが判明した。修正した状態図から、Co合金中のCo_3AlC量はNi基超合金中におけるNi_3Alほど多くすることは困難であると考えられるが、わずかな量のCo_3AlCをCoに導入することで、Ni基超合金に比肩する高温強度を得ることができる可能性が示された。 さらに、いくつかの合金については室温大気中で圧延を試みた。その結果、いくつかの組成で、10%以上の圧延が可能であった。
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