1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05223225
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小林 紘二郎 大阪大学, 工学部, 教授 (70026277)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上西 啓介 大阪大学, 工学部, 助手 (80223478)
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Keywords | 金属間化合物 / Ti合金 / 接合 / 強度 / 燃焼合成 |
Research Abstract |
金属間化合物TiAlは高温での高比強度を有することより新しい新構造用材料として注目されている。本研究では、大型構造物としてこのTiAlを実用化する際に問題となるその接合技術、特に比較的低温で材料母材の劣化なく接合できる可能性のある反応合成を用いた接合を新たに試みた。接合するTiAl母材の間にAlとTiの混合粉末圧粉体などをインサート材として挿入し、ある温度まで加熱するとインサート材中のAlとTiが反応し金属間化合物を形成する反応合成が起こると同時にインサート材と母材の反応を利用して従来まで困難とされてきた接合を比較的低温で短時間のうちに完成させる可能性がある。 混合粉末を熱分析、および各温度まで熱処理を行った試料のX線回折を行うことにより、Alが溶融することによりAl中へのTiの拡散が起こりやすくなり燃焼合成反応が起こることがわかった。しかしながら、Ti粉末の粒径が大きいとTiは完全には反応できず結果として、合成後はAl_3TiとTiから構成される合金となった。 この反応合成を接合に供すると、反応合成が起こると母材TiAlとインサート材との間にAl_3Ti反応層が形成し、接合が可能になることがわかった。接合界面での延性を増すために、熱処理を行うとインサート材は母材よりも微細なラメラ組織化したが、インサート材と母材界面はラメラ化せずγ単相となった。 同様にインサート材として混合粉末の代わりにAlシートを用いてもほぼ同様な接合組織を示したことより、溶融AlとTiAlとの反応が接合に大きく関与していることがわかった。 得られた接合体は200〜240MPa程度の引張強度を有したが、破断はラメラ化しなかったγ粒界で起こることより、全体をラメラ化するための考察が必要であることがわかった。
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