1993 Fiscal Year Annual Research Report
酸化物高温超伝導体の核緩和時間の異方性と超伝導ギャップの対称性
Project/Area Number |
05224201
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
熊谷 健一 北海道大学, 理学部, 教授 (70029560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 賢二 北海道大学, 理学部, 助手 (50238630)
松田 祐司 北海道大学, 理学部, 助教授 (50199816)
大川 房義 北海道大学, 理学部, 教授 (00107442)
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Keywords | 酸化物高温超伝導 / 核磁気共鳴(NMR) |
Research Abstract |
YBa_2Cu_3O_<7-9>の幾つかの良質な試料を用意して、その粉末試料を磁場配向した。零磁場(NQR)、低磁場(0.5T)、高磁場(7T)NMRでCuの核緩和時間の温度変化を精密に測定した。新たに購入した超伝導磁石を用いた高感度NMR装置を整備し高磁場での測定を行った。 超伝導状態での核緩和時間の異方性の温度依存性から、超伝導エネルギーギャップが等方的であるのかノードを持つ異方的であるのか(s波かd波か)を検証する目的で、YBa_2Cu_3O_<7-9>の良質な試料を磁場配向し、Cu核緩和時間の結晶軸に関する異方性の温度依存性を零磁場(NQR)、低磁場(0.5T)、高磁場(7T)NMRで測定し詳細な知見を得た。 零磁場NQRの緩和率の温度変化は、高磁場NMR(W_c(H=7T))のそれと比べ緩やかである。高磁場での緩和時間の異方性比(W_<ab>/W_c)はT_c以下で減少し、35K付近まではほぼ一定の値であり、さらに低温になるにつれ減少する。また低磁場(0.5T)の結果は高磁場でのそれと同様にT_c以下でいったん減少するが、70K以下で増加の傾向にある。このように超伝導状態での緩和時間の異方性比はの温度変化は、大きな磁場依存性を示し、その温度変化の様子は定性的に異なることを明らかにした。 また、T_c以上のノーマル状態でのRは温度に依存することを見いだした。これは磁場方向に対するいわゆるform factorの違いを反映し、χ(q,ω)のq=0とq=Q_<AF>での成分の温度依存性に差異があることで理解できる。理論的に示されている結果と対比して超伝導ギャップの対称性を議論するには、酸素サイトの緩和率とのスケーリングを含めて、緩和率の磁場効果をさらに詳細に検討する必要がある。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 熊谷 健一: "Anisotropy of ^<63>Cu(2)Spin-Lattice Relaxation in YBa_2Cu_3O_<6.89>" Physica. B186-188. 1008-1011 (1993)
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[Publications] 熊谷 健一: "Observation of Magnetic Order of Cu Moments in La_<2-x>SrxCuO_4 around x=0.12" Hyperfone Interactions. 79. 929-935 (1993)
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[Publications] 熊谷 健一: "Barely Metallic State with Enhanced Carrier Mass in YrχCuχTiO_3" Phys.Rev.B48. 14063-14066 (1993)
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[Publications] 熊谷 健一: "Anisotropy Ratio of Cu(2) Nuclear Spin Lattice Relaxation Rate in YBa_2Cu_3O_7" Physica. B(予定). (1994)