1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05224206
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
平井 敏雄 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (50005865)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増本 博 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (50209459)
山根 久典 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (20191364)
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Keywords | 酸化物高温超伝導体 / 炭酸基 / 結晶構造解析 / X線回折 / 中性子回折 / リートベルト法 / 超伝導転移温度 / 固溶体 |
Research Abstract |
炭酸基を含む銅系酸化物(C,Cu)Sr_2(Y,Sr)Cu_2O_z):C-1212は、Y^<3+>の一部をCa^<2+>で置換し、高圧酸素下で熱処理することにより超伝導体となるが、置換できるCa量の範囲や最適な置換量およびCa置換の効果などは明らかにされていなかった。本研究では、C-1212のCa置換を詳細に検討するとともに、C-1212についてYを他の希土類元素で置換することを試みた。また、C-1212が合成されなかったSr-Pr-Cu-O(CO_2)系について、新物質の探索を行った。 1313K、炭酸ガス分圧(PCO_2)25kPaの条件で、C-1212のY^<3+>をCa^<2+>で置換することを試みたところ、(C_yCu_<1-y>)Sr_2(Y_<1-x>Ca_x)Cu_2O_zで、xが0.3から0.7においてC-1212構造の化合物が合成された。xとともにyの値も増加し、Ca置換だけではCuの形式酸化数はほとんど変化しないことが明らかにされた。1273K、4.0MPaの高圧酸素下で30h処理した試料では、Cuの価数はいずれの試料においても増加し、その値は+2.15〜2.20となった。また、高圧酸素処理によってCの量yが減少し、Cuの酸化数は+2.20まで増加した。0.35≦x≦0.70で、これらの化合物はT_cが約60Kの超伝導体となった。 Tm,Er,Ho,Dy,Gd,Eu,Sm,Nd,Prの希土類元素についても、一部をCaで置換することによりC-1212構造の化合物が合成された。それらは、NdとPrを除いて、高圧酸素処理により超伝導を示した。 C-1212構造の化合物が合成されなかったSr-Pr-Cu-O(CO_2)系について、O_2-CO_2零囲気下、1353Kで生成する化合物を調べた。この条件下では、T^*構造のPr_<1.6>Sr_<0.4>CuO_<4-d>、2126型構造の化合物Pr_<1.85>Sr_<1.15>Cu_2O_<6-d>、およびb軸方向に3倍の超周期をもつ2126構造の化合物Pr_<2-x>Sr_<1+x>Cu_2O_<6-d>(0.08≧x≧0.75)が合成された。炭酸基を含む銅系酸化物は存在しなかった。なお、Sr-Pr-Cu-O系で、新化合物Pr_8Sr_7Cu_2O_z(六方晶a=10.164,c=3.623A)を発見した。
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[Publications] Y.Miyazaki: "Preparation,electric conductivity and crystal structure of(Sr_<2-X>Ba_X)CuO_<2+Y>(CO_3)_Z" Physica C. 215. 159-166 (1993)
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[Publications] Y.Miyazaki: "Crystal structures of new cuprates containing CO_3 analyzed by the Rielveld methed of neutron powder diffraction" Proc.5th Int.Symp.Advanced Nuclear Energy Research. 248-253 (1993)
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[Publications] 山根久典: "炭酸基を含む新しい酸化物超伝導体" 粉体および粉末冶金. 40. 131-136 (1993)