1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05230019
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
坂井 典佑 東京工業大学, 理学部, 教授 (80108448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北沢 良久 東京工業大学, 理学部, 助教授 (10195258)
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Keywords | 繰り込み群 / 無限次元代数 / 弦理論 / 行列模型 / 二次元重力理論 / ビラソロ代数 / 2+ε次元 / 臨界指数 |
Research Abstract |
我々は行列模型と繰り込み群を用いて二次元量子重力理論を研究した。行列模型で表わされている二次元重力の力学的構造を理解し、中心電荷が1を越えるような物質場と相互作用するような解けない場合にも臨界指数などの有用な情報を得るために、繰り込み群理論が役立つ。我々はまず、一次元重力の離散的な模型であるベクトル模型について研究し、繰り込み群が成り立つことを証明した。繰り込み群を導くにはビラソロ代数が重要な役割を果たす。さらに行列模型については、中心電荷が1以下の場合について、繰り込み群方程式を導くことに成功した。この繰り込み群方程式は予想に反して、非線形となることが我々の研究によって初めて分かった。この点は、今までの場の理論にはなかった新しい特徴であり、無限次元代数によって支配されているという量子重力理論の特質を表わすものではないかと考えられる。 一方、量子重力のもう一つの定式化として2+ε次元での量子重力理論がある。この考え方は、二次元では重力が繰り込み可能になるはずだという点に着目して、高次元での量子重力を解析接続によって得ようとするものである。我々はこの理論に、超対称性を取り入れて、2+ε次元での超重力理論を構成することを試みた。さらに、2+ε次元での量子化の方法を用いて、共形的でない場の理論が量子重力と結合した場合に、繰り込み群のベータ関数が重力相互作用によって修正される有様を検討した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 樋口三郎,糸井千岳,坂井典佑: "Exact Beta Functions in the Vector Model and Renormalization Group Approach" Phys.Lett.B312. 88-96 (1992)
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[Publications] 松村陽一郎,坂井典佑,谷井義彰: "Coupling of Tachyons and Discrete States in c=1 2-D Gravity" Nucl.Phys.B395. 354-370 (1993)
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[Publications] 松村陽一郎,坂井典佑,谷井義彰,内野琢: "Correlation Functions in Two-Dimensional Dilaton Gravity" Mod.Phys.Lett.A8. 1507-1518 (1993)
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[Publications] 松村陽一郎,坂井典佑,城倉浩: "Macroscopic Loop Amplitudes in Two-dimensional Dilaton Gravity" Prog.Theor.Phys.90. 201-217 (1993)
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[Publications] 樋口三郎,糸井千岳,西垣真祐,坂井典佑: "Nonlinear Renormalization Group Equation for Matrix Models" Phys.Lett.B318. 63-72 (1993)
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[Publications] 小島真一,坂井典佑,谷井義彰: "Physical Scaling and Renormalization Group in Two-Dimensional Gravity" Phys.Lett.B322. 59-66 (1994)
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[Publications] 坂井典佑: "素粒子物理学 物理学基礎シリーズ10" 培風館, 277 (1993)