1993 Fiscal Year Annual Research Report

地球史におけるマグマ

Research Project

Project/Area Number	05231103
Research Institution	Tohoku University
Principal Investigator	大谷栄治東北大学, 理学部, 助教授 (60136306)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	佐々木晶東京大学, 理学部, 助教授 (10183823) 圦本尚義筑波大学, 地球科学系, 講師 (80191485) 牧島昭夫岡山大学, 地球内部研究センター, 助手 (70219301) 兼岡一郎東京大学, 地震研究所, 教授 (30011745) 丸山茂徳東京工業大学, 理学部, 教授 (50111737)
Keywords	マグマオーシャン / 高温高圧実験 / 元素分配 / 地球史 / イスア / アーキャン / コマチアイト / 希ガス同位体
Research Abstract	重点領域マグマ「地球史におけるマグマ」班では、初期地球を含めて地球史の中で、マグマの果たした役割を解明することを計画している。本班では特に以下の三つの課題に焦点を当てて研究を進めている。すなわち、(1)初期地球におけるマグマオーシャンの実体を解明すること、(2)マグマの生成による地殻の形成過程を明かにすること、そして(3)マグマ生成によるマントル内部の不均質と大循環を解明することである。具体的には、(1)高温高圧実験に関しては以下のような研究が行われた。マグマオーシャンやアーキアンのコマチアイトの生成などの初期地球の火成作用の諸過程を解明するための高圧下での珪酸塩系の融解実験としては、MgO-Al2O3-SiO2系及びMgO-FeO-SiO2系の研究が現在進行中である。また、初期地球の融解に伴う分化作用に大きな影響を与えるマグマの密度測定や、マントル内部におけるCO2-H2O流体の挙動を明かにするためのキンバライトの融解実験などが行われた。初期地球のマグマオーシャンに伴って金属鉄の分離が進行し、核が形成された可能性がある。このように初期地球の重要な過程である核形成に関連して20GPaまでのFe及びFeSの融点の決定、高温高圧下で共存する金属鉄とマグマ、金属鉄と高圧鉱物、そしてマグマと高圧鉱物の間の元素分配の研究(ゆり本、大谷ら)なども行われた。また、(2)丸山らを中心とした地球史プロジェクトとして、イスア、ピルバラなど世界各地のアーキアンの地質帯の綿密な調査と採取した岩石試料の化学分析が行われ、コマチアイトの起源、アーキアンのテクトニクスの様式、この時代の火成岩を作り出すマントルの化学組成が推定された。そして、(3)上記(1)(2)を総合して、地球の初期進化を数値シミュレーションを行うために、ワークステーションが導入され、佐々木らによって予備的数値実験に着手されている。(4)さらに兼岡らにより巨大なホットプリュームの存在が推定されている南太平洋地域において代表的な海洋島からの試料採集がすでに行われ、これらの海洋島に産するマグマが由来するマントルの化学的特徴を明かにするために、希ガス同位体比の測定に着手された。また、火成岩に含まれる希土類元素をはじめとする微量元素の濃度を測定するための分析システム(ICP-MS)が導入され、牧嶋らによってすでに分析可能な状態に維持されている。

Research Products

(6 results)

All Other

All Publications (6 results)

[Publications] Ohtani E.: "Flotation of olivine in the peridotite melt at high pressure" Proceedings of Japan Academy. 96B. 23-28 (1993)
[Publications] Ohtani E.: "The Geochemical model of Mars" Geophys.Res.Letters.19. 2239-2242 (1992)
[Publications] Kaneoka.I: "Noble gas signitures of magnetic sources and processes" Geochemical Journal. 27. 205-215 (1993)
[Publications] Kaneoka.I: "^<40>Ar-^<39>Ar analyses of a lunar meteorites(Yamato-86032)and a few LL3 and LL4 chondrite from Antactica" Proc.NIPR Symposium Antarctica Meteorites. 6. 88-99 (1993)
[Publications] Makishima.A: "Primordial Ce isotope composition of the solar system" Chemical Geology,Isotope Geoscience Sec.64. 105-110 (1993)
[Publications] Yurimoto.H.: "Negative metal-ion source for secondary ion mass spectrometry" Rev.Sci.Instrum.64. 1146-1149 (1993)

1993 Fiscal Year Annual Research Report

地球史におけるマグマ

Principal Investigator

大谷 栄治 東北大学, 理学部, 助教授 (60136306)

Research Products

[Publications] Ohtani E.: "Flotation of olivine in the peridotite melt at high pressure" Proceedings of Japan Academy. 96B. 23-28 (1993)

[Publications] Ohtani E.: "The Geochemical model of Mars" Geophys.Res.Letters.19. 2239-2242 (1992)

[Publications] Kaneoka.I: "Noble gas signitures of magnetic sources and processes" Geochemical Journal. 27. 205-215 (1993)

[Publications] Kaneoka.I: "^<40>Ar-^<39>Ar analyses of a lunar meteorites(Yamato-86032)and a few LL3 and LL4 chondrite from Antactica" Proc.NIPR Symposium Antarctica Meteorites. 6. 88-99 (1993)

[Publications] Makishima.A: "Primordial Ce isotope composition of the solar system" Chemical Geology,Isotope Geoscience Sec.64. 105-110 (1993)

[Publications] Yurimoto.H.: "Negative metal-ion source for secondary ion mass spectrometry" Rev.Sci.Instrum.64. 1146-1149 (1993)

大谷栄治東北大学, 理学部, 助教授 (60136306)