1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05233103
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
広部 雅和 東京大学, 薬学部, 教授 (20012594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮田 直樹 国立衛生試験所, 有機化学部, 部長 (50114674)
今井 一洋 東京大学, 薬学部, 教授 (50012620)
高柳 一成 東邦大学, 薬学部, 教授 (70012599)
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Keywords | フラーレン / 活性酸素 / 一重項酸素 / 一酸化窒素 / 血管弛緩作用 / 分化促進 / 白色腐朽菌 |
Research Abstract |
フラーレン類の生体へ及ぼす影響・機能について主として生物学的立場から明らかにするとともに新規医薬品等のリ-ド化合物としての可能性を検討することを目的とし以下の成果を得た。1.生体内活性酸素生成・消去系への水溶性フラーレン誘導体の効果をin vitro系で検討したところ活性酸素毒性促進・抑制どちらも示唆する結果が得られ、従来にないユニークな化合物であることが判明した。つぎにin vitor系として大腸菌を用い酸素毒性への効果を検討したところ、活性酸素毒性は発現せず逆に抑制することが示唆された。活性酸素毒性に由来すると考えられている疾病は多く、それらへの医薬品としての可能性が考えられた。2.摘出血管を用いた実験より、水溶性フラーレン誘導体が血管弛緩因子(NO)を消去することを見いだした。本化合物が新たなNO研究試薬として薬理学の方面で用いられる可能性がある。3.水溶性フラーレン誘導体はC_<60>自身より強い軟骨文化促進作用を有していた。さらに本化合物を妊娠ラットに投与したところ胎児の骨分化は促進されたが他の部分の生育は抑制された。4.C_<60>マロン酸ジエチル-モノ、ジ、トリ誘導体の一重項酸素生成能を比較検討したところジアダクトにC_<60>以上の活性が見られた。本結果はフラーレン類の癌光化学療法への応用を考える際に重要な知見となる。5.ポリビニルピロリドンで懸濁したC_<60>はニトロアレン類の変異原性を低下させた。当初予測されたフラーレン類の変異原性は低かったことと併せて興味深い知見である。6.血管投与されたC_<60>はその懸濁法により消失速度が大きく異なった。フラーレン類の体内動態を考察する際に重要な知見である。以上、生体における挙動、機能、作用の研究に焦点を絞り多くの成果が得られ当初の目的は達成された。 他にC_<60>を酸化分解する白色腐朽菌を見いだす等、興味深い結果も得ている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] A.Sakai: "Effect of Fullerenes on the Initiation and Promotion Stages of BALB/3T3 Cell Transformation." Fullerene Science and Technology. 3. 377-378 (1995)
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[Publications] T.Tsuchiya: "A Novel Promoting Action of Fullerene C_<60> on the Chondrogenesis in Rat Embryonic Limb Bud Cell Culture System." Biochem.Biophys.Res.Comm.206. 885-894 (1995)
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[Publications] T.Hamano,: "Oxidation of [60] Fullerene by Cytochrome P-450 Chemical Models." J.Chem,Soc.,Chem.Commun.,. 1537-1538 (1995)
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[Publications] K.Okuda: "Superoxide Radical Quenching and Cytochrome c Peroxidase-like Activity of C_<60>-Dimalonic Acid,C_<62>(COOH)_4." Bioorg.Med.Chem.Lett.,. (in press).