1994 Fiscal Year Annual Research Report
| Project/Area Number |
05233107
|
|---|
| Research Institution | Toyohashi University of Technology |
|---|
Principal Investigator |
大澤 映二 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (40001763)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田代 孝二 大阪大学, 理学部, 講師 (60171691)
相原 惇一 静岡大学, 理学部, 教授 (40001838)
藤本 博 京都大学, 工学部, 教授 (40026068)
永瀬 茂 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (30134901)
田中 一義 京都大学, 工学部, 助教授 (90155119)
|
|---|
| Keywords | フラーレン / ヘテロフラーレン / トボロジー / 化学反応理論 / 計算化学 / 機能性高分子 / 量子化学 / 化学アルゴリズム |
|---|
| Research Abstract |
田中はナノチューブの電子状態の計算と実証、C_<60>・TDAE錯体の磁性に関する理論と実験を行った。永瀬は実験化学者を助けて多くの有用な計算を行い、特にSi_<60>の有効コアポテンシャルを用いるab initio計算を行って、フラーレン型が安定であるという結論を導いた。この予言は残念ながら実証に至らなかったが、依然としてやや対称性の低い篭型構造をとる可能性が高い。永瀬は金属内包フラーレンについて実験的情報が増加しつつあるという好機を掴まえて、興味深い理論計算結果を次々と発表した。藤本は局在化軌道を利用する有機分子反応論を展開しているが、C_<60>のような大型の分子に対する付加反応についても適用できることを示した。相原は自身が発見したユニークなトポロジカル芳香族性指標をフラーレンの中心的命題である芳香属性に適用して、C_<60>が始めに期待されたような超芳香族を持たず、共鳴エネルギーは比較的低くて球面芳香族と呼ぶべきであると唱えた。この結論はC_<60>の局在化オレフィンとしての反応性に関する理論的根拠である。大澤は(SiC)_<60>なる構造式をもつ二重飽和フラーレンが安定であって且つ部分陽電荷を原子表面に持つ逆超原子の候補として有望であることを、有効コアポテンシャルab initio計算などによって示した。このような新型ヘテロフラーレン(MC)_<60>の金属成分Mとしては強い炭化物結合を作り、且つ幾何学的に無理のない二重フラーレン構造を作る元素なら良い。たとえばゲルマニウム、チタニウムなどは有望である。また、C_<60>重合の第一段階生成物と考えられるC_<60>二量体に関して詳細な分子力学および半経験的分子軌道法を行い、pivot結合の強さ、長さ、回転障壁、結合経由軌道相互作用等に関してミクロな情報を得た。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] E.Osawa: "(Sic)_<60>:An Idealized Inverted Superatom?" Fullerene Sci.Technol.3. 印刷中 (1995)
-
[Publications] K.Tanaka: "Doping Effect of C_<60> on Soluble Polyaniline" Synth.Metals. 66. 193-196 (1994)
-
[Publications] S.Nagase: "Theoretical Study of the Lanthanide Fullerene CiC_<82> Companison with ScC_<82>,YC_<82> and LaC_<82>" Chem.Phys.Lett.228. 106-110 (1994)
-
[Publications] H.Fujimoto: "Orbital Interactions and Chemical Hardness" J.Phys.Chem.98. 1436-1441 (1994)
-
[Publications] J.Aihara: "Aromatic Character of Typical C_<60> Derivatives" J.Chem.Soc,Perkin Trans.2. 65-69 (1994)
-
[Publications] E.Osawa: "Silicon-Coated Fullerenes,(SiC)_n,n=20 to 60 Preliminary Evaluation of a New Class of Heterofullerenes" Chem.Lett.1037-1040 (1994)
