1993 Fiscal Year Annual Research Report
金属フラーレンの金属・半導体表面における吸着構造と電子状態
Project/Area Number |
05233202
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
橋詰 富博 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (70198662)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 洋右 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (00167181)
桜井 利夫 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (20143539)
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Keywords | フラーレン / STM / 銅 / 銀 / シリコン / 薄膜 |
Research Abstract |
シリコン表面において、フラーレンは表面のSi原子のダングリングボンドと強く化学結合をして、バルクにおけるスピン(回転)を止めることが判明している。本年度はフラーレンを吸着する表面を銅、銀として、吸着したフラーレンの薄膜、構造、電子状態を研究した。Cu(III)表面におけるC_<60>単分子膜において、C_<60>は分子間距離10.2AとバルクとほぼサイズのCu(111)-(4×4)C_<60>稠密単分子膜を形成した。このとき全てのC_<60>分子が、Cu表面の3-fold-hollow位置に吸着して、C_<60>の回転が止まり、C_<60>固有の電子状態に対応した3回対称の内部構造がSTMにより観察された。銅表面においてはフラーレンとの相互作用が比較的強く、またC_<70>、C_<60(x)>C_<10(1-X)>においても(4×4)構造が得られた。Ag(111)表面においてはC_<60>、C_<70>、Sc_2@C_<84>などのフラーレンを吸着し、単分子膜を形成すると、いづれの場合もそれぞれのバルクと同じサイズの稠密面となり、基板に対する整合性はCu(111)と比べて弱い。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 橋詰富博: "走査トンネル顕微鏡1分光法によるC_<60>の吸着" 固体物理. 28. 518-526 (1993)
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[Publications] 橋詰富博: "Si表面におけるフラーレン吸着" 真空. 36. 471-480 (1993)
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[Publications] X.D.Wang: "Geometry of Metallofullerenes Adsorbed on the Si(100)2×1 surface studied by Using Scanning Tunneling Microscopy" Chem.Phys.Lett.216. 409-412 (1993)
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[Publications] 橋詰富博: "The Absolute Coverage of K on the Si(111)-3×1-K Surface" Jpn.J.Appl.Phys.32. L1263-L1265 (1993)
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[Publications] 橋詰富博: "Intramolecular Structures of C_<60> molecules Adsorbed on the Cu(111)1×1 Surface" Phys.Rev.Lett.71. 2959-2962 (1993)
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[Publications] 橋詰富博: "Field Ion-Scanning tunneling Microscopy Study of C_<84> on the Si(100) surface" Jpn.J.Appl.Phys.Lett.32. L132-L134 (1993)
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[Publications] 桜井利夫: "表面を見る-走査トンネル顕微鏡の最近の話題-" 共立出版, 93 (1992)
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[Publications] 桜井利夫: "Field Ion-Scanning Tunneling Microscopy(FI-STM) and its Applications" Pergamon Press, 87 (1990)