1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05234105
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山本 尚 名古屋大学, 工学部, 教授 (10135311)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中井 武 東京工業大学, 工学部, 教授 (90016717)
玉尾 皓平 京都大学, 化学研究所, 教授 (60026218)
鈴木 啓介 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (90162940)
塩入 孝之 名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (20012627)
小国 信樹 山口大学, 理学部, 教授 (60028165)
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Keywords | ルイス酸複合型キラルブレンステッド酸 / エナンチオ選択的プロトン化反応 / 光学活性シッフ塩基チタン錯体 / キラル4級アンモニウムフルオリド / アルキニル基の不斉1,2-転位 / 触媒的不斉分子内ヒドロシリル化 / 不斉チタン触媒 |
Research Abstract |
四塩化スズと光学活性ビナフトールの1:1配位錯位からなるLewis酸複合型キラルBrφnsted酸(Lewis acid assisted chiral Brφnsted acid:LBA)がケテンビスシリルアセタール及びシリルエノールエーテルのエナンチオ選択的プロトン化反応に極めて有効なことを明らかにした。今回の研究で、これら反応剤の反応性を制御しキラル空間を設計する際、Brφnsted酸とLewis酸を組み合わせて生じる分子内水素結合、配位結合等の相互作用の利用が効果的なことがわかってきた(山本)。 2-t-ブチルサリシルアルデヒドとβ-アミノアルコールからのSchiff塩基チタン錯体を触媒に用いるアルデヒド類へのジケテンの不斉付加反応を発見して詳しく研究した。またこの反応を利用するコレステロール低下剤医薬品の製造研究が化学企業研究で進行中である(小国)。 キラルな4級アンモニウムフルオリドとして、キナアルカロイドを基本骨格に選び、これらを4級化後対応するフルオリドに導いた。これらのキラルフルオリドを用いて、シリルエノールエーテルとアルデヒドとの不斉アルドール反応を検討し、反応機構に関し興味ある結果を得た(塩入)。 抗生物質フラキノシンの合成では、その側鎖に存在する4級不斉炭素を含む3連続不斉点の制御が重要な課題である。本年度の研究で、コバルト錯体への変換を介して、従来困難であったアルキニル基の1,2-転位を容易に達成できることを見出し、上記の構造の立体選択構築法を確立することができた。(鈴木)。 触媒的不斉分子内ヒドロシリル化を1,3-ジケトン及び1,3-ジエンに展開するとともに、光学活性スピロシランの合成にも応用中である。一方、キラルエピスルホニウムイオン及びエピセレニウムイオンを経由するキラル分子の不斉変換に有用な反応剤の開発に成功した(玉尾)。 第二世代ビナフトール-チタン錯体を触媒に用いて、グリオキシラート-エン反応やアルドール反応の不斉触媒化に成功するとともに、この新不斉触媒はエン反応において効率的な不斉増殖現象を示すことを明らかにした(中井)。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 石原一彰: "Lewis Acid Assisted Chiral Bronsted Acid (LBA) for Enantioselective Protonation of Silyl Enol Ethers and Ketene Bis (trialkylsilyl) Acetals" Journal of the American Chemical Society. 116. 11179-11180 (1994)
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[Publications] 林 昌彦: "Novel Enantioselective Reaction of Diketene with Aldehydes Promoted by Chiral Schiff Base-Titanium Alkoxide Complex" Journal of the Chemical Society,Chemical Communication. 341-342 (1994)
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[Publications] 塩入孝之: "Use of the Aryl Groups as the Carbonyl Synthon.Application to the Synthesis of Some Natural Products Containing Hydroxy Amino Acid Funotions" Pure & Applied Chemistry. 66. 2151-2154 (1994)
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[Publications] 鈴木啓介: "Total Synthesis of Aryl C-Glycoside Antibiotics" Pure & Applied Chemistry. 66. 2175-2178 (1994)
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[Publications] Akio Toshimitsu: "Reaction of Configuration in the Ritter-type Substitution Reaction of Chiral β-Arylthio Alcohols through the Anchimeric Assistance of the Arylthio Group" Tetrahedron. 50. 8997-9008 (1994)
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[Publications] 北本 大: "Asymmetric Catalysis by a New Type of Chiral Binaphthol-Titanium Complex" Tetrahedron Letters. 36(発表予定). (1995)