1993 Fiscal Year Annual Research Report
新規光学活性ホスフィン配位子の合成と不斉触媒反応への利用
Project/Area Number |
05234206
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
今本 恒雄 千葉大学, 理学部, 教授 (10134347)
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Keywords | ホスフィン / 光学活性配位子 / 不斉合成 / ホスフィンボラン |
Research Abstract |
本研究の目的は,リン原子上に不斉中心を有する新規なホスフィン配位子を合成し,それらを用いて有用な不斉触媒反応を開発することである。この目的のために,優れた不斉触媒能を有するホスフィン配位子を設計し,それらを合成する必要がある。そこで,本年度は反応性に富む二級ホスフィン・ボランを鍵中間体として用いる合成ルートの開拓を行った。 最初に,ジクロロシクロヘキシルホスフィンまたはジクロロ(t-ブチル)ホスフィンより出発して,o-メトキシフェニル基を有する光学的に純粋な二級ホスフィン・ボランを合成した。次にこれらの光学活性な二級ホスフィン・ボランと種々の親電子試剤と反応させて誘導体の合成を行った。一般に反応は低温で速やかに進行し,対応する誘導体を高収率かつ立体特異的に与えた。このようにして合成されたホスフィン・ボランは,アミンと反応させることによりボラナート基を除去することができ,対応するホスフィン配位子に導くことが可能である。事実,実際に新しい配位子である(S,S)-1,2-ビス[シクロヘキシル(o-メトキシフェニル)ホスフィノ]エタンを合成することができた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Tsuneo Imamoto: "Synthesis and Reactions of New Phosphine-Boranes" Pure and Applied Chemistry. 65. 655-660 (1993)
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[Publications] 今本恒雄: "ホスフィンボランの合成と反応" 有機合成化学協会誌. 51. 223-231 (1993)
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[Publications] T.Imamoto et al: "Synthesis and Reactions of Optically Pure Phosphine-Boranes" Heteroatom Chemistry. 4. 475-486 (1993)
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[Publications] T.Imamoto 他: "New Chiral Lanthanide Complexes" Journal of Alloys and Compounds. 192. 211-216 (1993)
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[Publications] 今本恒雄: "ランタノイドの関わる有機合成" 季刊化学総説. 17. 108-116 (1993)