1993 Fiscal Year Annual Research Report
電子移動を経て14族有機金属化合物から発生する活性種の化学的特性とその利用
Project/Area Number |
05235242
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
大辻 吉男 大阪府立大学, 工学部, 教授 (20081341)
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Keywords | 14族有機金属化合物 / 光誘起電子移動反応 / 光酸素酸化反応 / 光置換反応 / 光付加反応 / 光橋かけ反応 / 光増感反応 / 可溶性ポリスチレン誘導体 |
Research Abstract |
ケイ素、ゲルマニウム、スズなどの14族元素を含む有機金属化合物から電子移動過程を経て発生する活性種の化学的特性を明らかにすることを目的として研究を行ない、以下の知見を得た。 1.P-ジシアノベンゼンとアリルトリメチルシランとを含むアセトニトリル溶液に>280nm光を照射すると、4アリルベンゾニトリルがほぼ定量的に生成した。また、フェナントレンなどの芳香族炭化水素を光増感剤として1,1-ジシアノ-2-フェニルエテンと各種14族有機金属化合物とを含むアセトニトリル溶液に光照射すると、シアノ基に対してbeta位にアリル基、ベンジル基、アルキル基、シリル基、レギオ選択的に付加した生成物を与えることを明らかにした。 2.9,10-ジシアノアントラセン(DCA)を光増感剤として、アリールチメチル基を置換基としてもつ14族有機金属化合物をアセシニシリル中酸素酸化すると、アリールメチル基のメチレン基の酸化が高選択的に起こることを見い出した。また、ジシラン誘導体を同様に光酸素酸化すると、ジシロキサンが高収率で生成することを見い出すとともに、その生成構成を明らかにした。 3.有機ケイ素基を側鎖にもつポリスチレン誘導体と各種ポリシアノ芳香族化合物との光誘起電子移動反応では置換反応と橋かけ反応が競争的に起こり、不溶性ポリマーが生成することを見い出した。また、有機スズ基を側鎖にもつポリスチレン誘導体との光反応では、置換反応が高選択におこり、側鎖にシアノ芳香族基をもつ可溶性ポリマーが生成し、この可溶性ポリマーが各種光誘起電子移動反応の有効な光増感剤として利用できることを明らかにした。
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