1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05236101
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山本 嘉則 東北大学, 理学部, 教授 (60029519)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 仁美 京都大学, 理学部, 教授 (50025342)
安藤 亘 筑波大学, 化学系, 教授 (30008429)
奈良坂 絋一 東京大学, 理学部, 教授 (50016151)
園田 昇 大阪大学, 工学部, 教授 (20083983)
小杉 正紀 群馬大学, 工学部, 助教授 (60008464)
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Keywords | 金属アミド / アミドクプラート / β-ラクタム / o-キノジメタン / 有機スズ化合物 / 有機テルル化合物 / ラジカル / 有機ビスマス化合物 |
Research Abstract |
1.チッソアニオン種R_2N^-は強い塩基性を示すことがよく知られており、従来はbaseとして有機合成に利用されてきた。たとえばNaNH_2やLDAの様な化学種である。金属の種類を変えることによりbaseとしてではなく、チッソ求核反応剤として有機合成に利用することを計画した。具体的には(R_2N)_2CuLiで示されるアミドクプラート化学種を新たに創製し、α,β-不飽和カルボニルへの共役付加によるβ-アミノエステルおよびβ-ラクタム骨格の不斉合成を達成した。 2.o-キノジメタン前駆体としてオレフィン部分をもつスズ化合物を合成し、これに種々のプロモーター(求電子剤:PhSCl,Br_2,過酸など)を反応させた。スズがカチオンとして非常に脱離しやすい性質を利用し、その1,4-脱離によりプロモーターの取り込まれたo-キノジメタンを発生させることに成功した。 3.有機スズ、テルル化合物などの典型金属化合物を有機リチウム試薬となど、通常の方法では発生させることが極めて困難な極性反転型不安定有機リチウム化合物の新規創製法を確立した。 4.酸素・窒素・硫黄などヘテロ原子のα-炭素上にラジカル(ないしはカチオン)を発生させることは、必ずしも容易ではない。これらヘテロ原子のα位にトリアルキルスタンニル基のような有機金属基を導入することにより、酸化的なカチオンラジカル種の生成を容易にするとともに、その開裂反応を起こさせ、生じる炭素活性種(ラジカル或いはカチオン)を利用して、有用な炭素骨格形成反応を実現した。具体的には種々の反応基質金属酸化剤の検討を行い有機金属基を含むカチオンラジカル種の生成を試み、その反応について検討を行い、新規活性種の創製を行った。 5.分子内に2つのジアゾ化合物を有するポリシランは、光又は熱反応により反応活性なケイ素-炭素二重結合を生成する。この反応を利用して分子内環化反応により特異な環状化合物を合成した。また、ゲルマニウム化合物は、直接硫化反応により環状化合物を合成することに成功した。 6.無機ビスマス化合物は近年特殊な触媒効果や高温超伝導性の面から注目されているが、有機ビスマス化合物は一般に不安定なものが多いため、その化学は未開拓であった。この新活性反応種に関してその物性、化学的挙動を明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 山本嘉則: "Zinc Chloride as a Radical Initiator as well as a Chelating Agent." J.Am.Chem.Soc.421-422 (1994)
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[Publications] 山本嘉則: "Asymmetric Synthesis of the β-Lactam Framework via a Three Component Coupling Reaction." J.Chem.Soc.Chem.Commun.1660-1662 (1993)
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[Publications] H.Sano: "Stannanes in Synthesis:The Generation of Promoter-Incorporated o-Quinodimethane" Synlett.831-833 (1993)
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[Publications] I.Ryu: "β-Copper(II)Ketones.Generation,Coupling,and Highly Stereoselective Trapping by Electron-Deficient Acetylenes." J.Am.Chem.Soc.115(26). 12330-12339 (1993)
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[Publications] 奈良坂絋一: "Generation of Cation Radical from 2-Pivaloyl・1-trifutylstannyl-1,2,3,4-tetrahydroisoquinoline and the Reaction with Carbon Nucleoplutes" Chem.Lett.125-128 (1993)
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[Publications] T.Shimizu: "Synthesis and Structure of Polysilabridged and Doubly Bridged Allenes" J.Am.Chem.Soc.115. 3111-3112 (1993)