1993 Fiscal Year Annual Research Report
光誘起電子移動による有機ケイ素反応活性種の発生と新規シロール誘導体の設計と合成
Project/Area Number |
05236215
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
中平 靖弘 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (90004332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加固 昌寛 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (10233678)
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Keywords | ケイ素架橋多環式化合物 / 光誘起電子移動 / フッ素化開裂反応 / シロール / 有機光化学 / 有機ケイ素化合物 / ジシアノアントラセン / テトラフルオロボラート |
Research Abstract |
光誘起電子移動反応条件でケイ素架橋化合物が反応活性種特にカチオンラジカル種を発生する可能性を検討した。この過程でケイ素-ケイ素結合の新しい光フッ素化開裂反応を見いだした。 1.ケイ素架橋多環式化合物の異性化と反応活性種の捕捉 9,10-ジシアノアントラセン存在下タングステン(W)ランプの照射で、ジベンゾシラノルボルナジエン誘導体(1)は骨格転位して2-シラ-3,4,6,7-ジベンゾビシクロ〔3.2.0〕ヘプタジエン異性体3をアントラセンと共に生成した。1およびジシラビシクロ〔2.2.2〕オクタジエン誘導体(2)は2,4,6-トリフェニルピリリウムテトラフルオロボラート(TPP^+BF_4^-)存在下のW-ランプ照射で形式的にケイ素架橋部に対応する反応活性ケイ素種がフッ素に捕捉されたジフルオロシランを与えた。 2.光フッ素化開裂反応 フェニルジシラン類およびオクタメチルトリシランはTPP^+BF_4^-存在下W-ランプを照射するとケイ素-ケイ素結合がフッ素化開裂を受け対応するフルオロシランを与えた。たとえば、1,2-ジフェニルテトラメチルジシランからはフルオロメチルジフェニルシランが定量的に得られる。この光フッ素化開裂はシクロヘキサシラン等の環状オリゴシランでも進行した。 3.シロール類の設計と合成 ジエン部分に置換基を持たないビストリメチルシリルシロールをはじめて合成した。
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