1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05236229
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
石川 満夫 広島大学, 工学部, 教授 (20025985)
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Keywords | キノジシラン / 触媒反応 |
Research Abstract |
高歪み含ケイ素小員環化合物、3,4-ベンゾ-1,1,2,2-テトラエチル-1,2-ジシラシクロブト-3-エン(1)を合成し、ニッケル(0)錯体触媒存在下、芳香族化合物、カルボニル化合物との反応を行い興味ある新しい知見を得た。すなわち、触媒量のテトラキス(トリエチルホスフィン)ニッケル(0)錯体存在下、化合物(1)をベンゼン中で加熱すると、C-H結合の活性化から由来する化合物が収率よく得られることを見いだした。芳香族化合物のC-H結合の活性化はベンゼンに限らず、トルエン、キシレンなどにおいても容易に起こることを明らかにした。ニッケル(0)錯体触媒存在下、カルボニル化合物との反応も興味深い結果を示した。例えば、アセトンとの脱気封管中、150℃での反応は3種の生成物、5,6-ベンゾ-1,1,4,4-テトラエチル-3,3-ジメチル-2-オキサ-1,4-ジシラシクロヘキサ-5-エン(2)、1-(ジエチル(イソプロペニルオキシ)シリル)-2-(ジエチルシリル)ベンゼン(3)、および4,5-ベンゾ-1,1,3,3-テトラエチル-2-オキサ-1,3-ジシラシクロペント-4-エン(4)を、おのおの26%、31%、および24%の収率で与えた。一方、エノール化しないケトン、例えばベンゾフェノンとの反応では、4,5-ベンゾ-1,1,3,3-テトラエチル-2,2-ジフェニル-1,3-ジシラシクロペント-4-エンと化合物(4)をおのおの20%および57%の収率で与えた。またこの反応を、シクロヘキセン中で行い、7,7-ジフェニルノルカランを単離することに成功し、これによってカルベン-ニッケル錯体が反応中間体として生成することを明確にした。またこれらすべての反応では、ο-キノジシラン-ニッケル錯体が重要な活性種として生成することを明らかにした。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] M.Ishikawa: "Nickel-Catalyzed Reactions of 3,4-Benzo-1,1,2,2-tetraethyl-1,2-disilacyclobut-3-ene with Carbonyl Compounds" Organometallics. 12. 87-90 (1993)
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[Publications] M.Ishikawa: "Platinum-Catalyzed Reactions of 3,4-benzo-1,1,2,2-tetraethyl-1,2-disilacyclobut-3-ene" Organometallics. 12. 4987-4992 (1993)