1993 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー蒸発法による高励起フリーラジカルの生成と振動ダイナミクス
Project/Area Number |
05237205
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山内 薫 東京大学, 教養学部, 助教授 (40182597)
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Keywords | レーザー蒸発法 / レーザー誘起ケイ光 / Renner効果 |
Research Abstract |
(1)レーザー蒸発法によるフリーラジカル発生ノズルの制作と性能の最適化:フリーラジカルの生成のために、レーザー蒸発法を用いたフリーラジカル源を制作した。炭素原子を含むフリーラジカルを生成するために、カーボンロッドを試料として用いた。また、ケイ素原子を含むフリーラジカルを生成する場合には、シリコンロッドを資料として用いている。蒸発用のレーザーとしては、Nd:YAGレーザーの基本波(波長1064nm)を用い、その入射強度やキャリヤーガスの条件などを検討し、フリーラジカル生成のための最適の条件を突き止めた。 (2)蛍光シグナルの観測のための計測システムの制作と最適化:レーザー誘起蛍光スペクトルを観測することにより、C原子、C_2(D-Xバンド)、C_3(A-XおよびB-X,C-Xバンド)の検出に成功し、それぞれのサイズのC_n型のフリーラジカルを効率良く生成するために、主にノズルの貯気槽圧や検出用レーザーと蒸発用レーザーのタイミングなどの諸条件の最適化を試みている。C_3のレーザー誘起蛍光スペクトルの測定においては、比較的低い分解能で広範囲のスペクトルを測定し振電バンドの全貌を明らかにするとともに、高分解能測定に基づいて回転構造を解析することによりその振電構造の解明に取り組んでいる。とくに、Renner効果による準位構造の分離を解析し、変角振動の量子数の帰属を高エネルギー側に延長した。この帰属に基づいた解析から、従来の一次の摂動論によるエネルギー順位の記述が不適切であり、ハミルトニアン行列の対角化が必要であることが明らかとなった。さらに、シリコンロッドを用いたレーザー蒸発法により、Si、Si_2、SiO、SiH_2などのラジカルの検出に成功している。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] C.D.Pibel,K.Yamanouchi,and S.Tsuchiya: "Laser induced fluorescence spectroscopy of the B'1_u-XO_g+transition of Xe_2:Determination of the B' state potential and evidence for a barrier to dissociation." Journal of Chemical Physics. 100(印刷中). (1994)
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[Publications] K.Yamanouchi,J.Miyawaki,S.Tsuchiya,D.M.Jonas and R.W.Field: "New schemes for extracting molecular dynamics from spectra:Case study on vibrationally highly excited acetylene." Laser Chemistry. (印刷中). (1994)
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[Publications] K.Yamanouchi: "Intramolecular vibrational dynamics of highly excited SO_2 and acetylene:Combination of SEP and DF spectroscopy." “Molecular Dynamics and Spectroscopy by Stimulated Emission Pumping",H.L.Dai and R.W.Field Eds.(印刷中). (1994)
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[Publications] J.Miyawaki,K.Yamanouchi,and S.Tsuchiya: "State-specific unimolecular reaction of NO_2 just above the dissociation threshold." Journal of Chemical Physics. 99. 254-264 (1993)