1993 Fiscal Year Annual Research Report
クラスターおよび凝縮系に生成する超励起状態の動力学
Project/Area Number |
05237233
|
Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
見附 孝一郎 岡崎国立共同研究機構, 分子化学研究所, 助教授 (50190682)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 啓晃 岡崎国立共同研究機構, 分子化学研究所, 助手 (90249954)
|
Keywords | クラスター / 超励起状態 / 真空紫外光吸収 / イオン対生成 / 質量分析 / 軌道放射光 / 励起子 / 電子遷移誘起脱離 |
Research Abstract |
1.正・負イオン飛行時間同時計測法による超励起状態の研究 N_2Oからの光励起イオン対生成(2体解離N_2^++0^-および3体解離N^++0^-+N)を観測した。光解離効率曲線上の25〜30eVに存在するピーク構造を解析し、これまで知られていなかったSIGMA対称性の2電子励起リュードベリ状態を検出した。量子欠損に基づいてこれらのピークを帰属した。さらに、3体解離過程に関する同時計測スペクトルのピーク形から、解離機構について議論した。窒素イオンはもともと分子の中央にあったN原子に由来すること、および2つの化学結合はほぼ同時に解裂することが明かなった。2.クラスターの励起状態とその自動イオン化の研究 液体ヘリウム冷却型高濃度クラスター源を軌道放射光施設に設置した。差動排気系が30Kまで冷却されたことを確認した。このクラスター源を使ってCO_2,Ar,Krクラスターを生成し、よどみ圧条件、強度、サイズ分布等を光イオン化法で検討した。現在、(CO_2)_2からの正負イオン対解離を調べている。3.希ガス固定からの、準安定原子の光誘起脱離現象に関する研究 Ne,Ar,Kr凝縮層またはそれらの混合体表面に軌道放射光を照射し、光誘起脱離で放出された準安定原子の運動エネルギーと角度分布を測定した。励起子の初期緩和機構と脱離機構について考察した。4.分子凝縮固体からの光誘起イオン脱離の研究に用いる装置の製作。飛行時間型質量分析装置を製作した。将来、検出部を位置敏感型に代えて、脱離イオンの運動エネルギー分布を測定する予定である。
|
-
[Publications] 見附孝一郎: "Negative‐ion mass spectrometric study of ion‐pair formation in the vacuum ultraviolet.VII SO_2→O^-+SO^+ and^+^++O" Org.Mass Spectrom.28. 335-339 (1993)
-
[Publications] 見附孝一郎: "Positive ion‐negative ion coincidence spectroscopy of O_2 and H_2 using synchrotron radiation" Zeit.Phys.D. 27. 267-273 (1993)
-
[Publications] 見附孝一郎: "Ion‐pair formation from saturated hydrocarbons through photoexcitation of an inner‐valence electron" J.Chem.Phys.99. 6642-6652 (1993)
-
[Publications] 吉田啓晃: "Observation of doubly‐excited Rydberg states of N_2O by positive ion‐negative ion coincidece spectroscopy" UVSOR Activity Report. 21(印刷中). (1994)
-
[Publications] Weibel,Daniel: "Photo stimulated desorption of metastables from the surface of rare gas solids" UVSOR Activity Report. 21(印刷中). (1994)
-
[Publications] Weibel,Daniel: "Desorption of metastable atoms from the surface of a Ne and Ar" Annual Review of Institute for Molecular Science. 100 (1993)