レイノルズ応力方程式モデルにおける乱流輸送項のモデリング

1993 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 05240218
• Research Institution: Keio University
• Principal Investigator: 小尾 普之介 慶應義塾大学, 理工学部, 専任講師 (80233609)
• Keywords: 乱流モデル / レイノルズ応力 / 乱流拡散

Research Abstract

レイノルズ応力方程式モデルの基本形であるGibson-Launderのモデルを二次元自由せん断層の計算に適用し,特に乱流拡散項の近似について考察した。拡散項のモデルとして,比較的単純な2つのモデル,Daly-Harlowモデル(DH)とHanjalic-Launderモデル(HL)を取りあげ,再配分項にはLRR型の線形モデルを組合わせ,またタイムスケールを決定するための乱流エネルギの消散率はHanjalic-Launderの提唱するモデル輸送方程式から求めた。計算結果から逆算した変動速度の三次モーメントの分布と,これらの計算結果を三次モーメントのモデル輸送方程式に代入して求めた三次モーメントの各成分について完全発達領域で分布を比較した。また,流れ場の基本特性を比較するために,より単純な乱流モデルの例として,kappa-epsilonモデルとの比較を行なった。
今年度得られた主な知見は以下のとおりである:
1.Spencerの実験結果と比較したところ,平均速度分布,せん断層の広がり率,乱流エネルギー及びレイノルズ応力の分布に関し,Daly-HarlowモデルとHanjalic-Launderモデル,kappa-epsilonモデルはすべて良い一致を示した。
2.レイノルズ応力方程式の収支に関するHLモデルとDHモデルの比較によると,HLモデルの方がせん断層の縁で拡散が抑えられている。
3.DH,HLモデルのそれぞれから求めた平均速度,レイノルズ応力を代入して三次モーメントの輸送方程式を解いた結果と比較すると,三次モーメントの内で成分の違いが特に大きかった。
4.三次モーメントの輸送方程式の収支を検討した結果,勾配拡散モデルとの差が大きい成分では勾配拡散モデルで無視される平均速度勾配の項が大きいことが明らかになった。従って,三次モーメントのモデリングには平均速度勾配の影響を考慮する必要がある。

Research Products

• [Publications] S.Obi: "Calculation on the Turbulent Separating Flow in an Asymmetric Plane Diffuser bya Second-Moment Closure Model" Proc.5th Int.Symp.Computaional Fluid Dynamjcs. 2. 381-386 (1993)
• [Publications] S.Obi: "Experimental and Computational Study of Turbulent Separating Flow in an Asymmetric Plane Diffuser" Proc.Ninth Symp.Turbulene Shear Flows. 3. P305.1-P305.4 (1993)
• [Publications] S.Obi: "Finite-Volume Computation of Merging Parallel Channel Flows by a Second-Moment Turbulence Closure Model" Journal of Wind Engineering and Industrial Aerodynamics. 46-47. 104-114 (1993)