1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05244101
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
三井 幸雄 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (40012637)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 文男 京都大学, 理学部, 助教授 (90218785)
倉光 成紀 大阪大学, 理学部, 教授 (60153368)
田之倉 優 東京大学, 生物生産工学研究センター, 教授 (60136786)
西野 武士 日本医科大学, 医学部, 教授 (40094312)
森島 績 京都大学, 工学部, 教授 (50026093)
小田 順一 京都大学, 化学研究所, 教授 (50027041)
楯 真一 東京都立大学, 理学部, 助手 (20216998)
上杉 晴一 横浜国立大学, 工学部, 教授 (70028851)
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Keywords | X線結晶構造解析 / ラウエ法 / 時間分割解析 / 蛋白質の構造 / 蛋白質の動的構造 / NMR分光法 / 緩和時間測定 / ケージ化合物 |
Research Abstract |
以下、交付申請書の『本年度の研究実施計画』欄のA1)〜A5)に対応させて述べる。 A1)ヘム蛋白質についての、時間分割ラウエ法及びNMR分光法による研究(森島)。 Leu 29置換ヒトミオグロビンに関しては、一酸化炭素の結合に対して、ヘムポケット内の水分子が大きく関与していることが分かった。結晶化の容易なマッコウ鯨のミオグロビンについても同様な変異体を作った。 A2)リン酸化合物を結合する酵素についての、時間分割ラウエ法、酵素化学による研究(小田、西野、倉光) グルタチオン合成酵素:caged-ATP:遷移状態アナログ(TSA)の三元複合体の構造を解析した。また、フラッシュフォトリシスで反応開始直後の構造を-10℃で解析した。その結果、活性中心に結合したcaged-ATPとTSAの構造を捉えることに成功した(小田)。複合金属フランジ酵素であるキサンチン酸化酵素につき、結晶化は温度に依存し、21℃が最適であることが分かった(西野)。レーザー光によるcaged化合物の光分解を検討した結果に基ずいて、1μ秒まで測定可能な酵素反応追跡装置を作製した。40μlのサンプルを、基質濃度が高い条件下で、測定することが可能となった(倉光)。 A3)加水分解酵素についての時間分割ラウエ法及び酵素化学による研究(三井、上杉、田之倉) RNaseへのcaged-CpUの導入は成功していない。ウシガエル由来のRNaseA/Lectin(三方晶系)からは、シングルショットのラウエ法によっても、結合したシアル酸を明瞭に確認することが出来た。7αヒドロキシステロイド脱水素酵素については、A03公募の古田氏が溶解度の高いcagedコール酸を合成中である(三井)。ペプシノーゲンの結晶にラウエ法を適用してみたが、ストリークがひどい。結晶化条件から根本的に検討しなおしている。また、pH1までジャンプダウンすると、結晶に無数のひびが入ることもわかった(田之倉)。 A4)蛋白質構造のダイナミックスを追求するための新しいNMR分光法の開発(楯) 最終的に蛋白質中のすべての主鎖のCα炭素の緩和時間の解析を可能とした。また、Gly標識法を用いることで、N-Cα結合のまわりの局所運動性の解析をも可能とした。 A5)計算機実験にもとずく蛋白質の動的構造解析(平田)。 低温変性の本質的要因が溶媒和自由エネルギーであることが結論された。この結果は、経験論とも一致するが、第一原理から得られた最初のものである。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Senda,T.,Saitoh,S.& Mitsui,Y et al.: "Refined crystal structure of recombinant murine interferon-beta at 2.15 A resolution." J. Mol. Biol.253. 187-207 (1995)
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[Publications] Senda,T.,Sugiyama,K.,Mitsui,Y et al.: "Three-dimensional structures of an extradiol ring-cleavage type dioxygenasc, the Bph C enzyme from Pseudomonas" J. Mol. Biol.255. 735-752 (1996)
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[Publications] Tate,S.,Ushioda,T.,Take,U.N.,Shibuya,K.,Ohyama,Y.,Nakano,Y.,Kaji,H.,Inagaki,F.,Samejima,T.,and Kainosho,M.: "Solution Structure of a Human Cystatin A Variant, Cystatin A(2-98)M65L, by NMR Spectrocopy." Biochemistry. 34. 14637-14648 (1995)
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[Publications] Hibi,T.,Nishioka,T.,Kato,H.,Tanizawa,K.,Fukui,T.,Katsube,Y.,& Oda,J.: "Structure of the multifunctional loops in the nonclassical ATP-binding fold of glutathione syntherase" Nature Structural Biology. 3. 16-18 (1996)
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[Publications] K.Okamoto,and T.Nishimo:"Mechanism of inhibition of xanthine oxidase with a new tight binding inhibitor." J. Biol. Chem.,. 270. 7816-7821 (1995)
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[Publications] Irisa,M.,Takahashi,T.,Hirata,F.,Yanagida,T.: "Solvation Free Energy of Protein Reproduced by the Combination of the Extended Scaled Particle Theory and the Poisson-Boltzmann Equation" J. Mol. Simulation. 65/66. 381-384 (1995)
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[Publications] 小野 晶、楯 真一、甲斐荘正恒: "安定同位体標識DNAオリゴマーの合成・多核種多次元NMR法による核酸構造解析への応用" 蛋白質・核酸・酵素「核酸化学の新展開」. 増刊号. 18 (1995)
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[Publications] 加藤博章、小田順一: "有機化学とタンパク質結晶学-遷移状態アナログを用いて酵素反応機構を探る-" 日本結晶学会誌. 38巻(印刷中). (1996)